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近畿大学農学部と姫路市が新しい野菜による山間地農業の振興に挑戦 お正月野菜「チョロギ」の超短期栽培技術の開発に成功

Digital PR Platform / 2024年2月21日 14時5分

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近畿大学農学部(奈良県奈良市)農業生産科学科花卉(かき)園芸学研究室は、兵庫県姫路市とともに、姫路市莇野(あぞの)地区の農業振興に取り組んでいます。新しい野菜の導入による山間地農業の振興を目指して、おせち料理に用いられるシソ科の野菜「チョロギ」の新たな生産体系を構築し、栽培期間を約半分に短縮することに成功しました。
本研究に関する論文が、令和6年(2024年)1月24日(水)、園芸学分野の学術誌"The Journal of Horticultural Science and Biotechnology"(ザ ジャーナル オブ ホーティカルチャラル サイエンス アンド バイオテクノロジー)にオンライン掲載されました。





【本件のポイント】
●近畿大学農学部と姫路市が、山間地農業の振興を目指し、チョロギの生産体系を構築
●発根苗を利用した栽培で、収穫までの期間を約4カ月に短縮することに成功
●短期栽培でもチョロギ塊茎に含まれるオリゴ糖のスタキオースの量は変わらないことが明らかに

【本件の背景】
チョロギは、日本では野菜として知られ、主にハレの日の食材としておせち料理に利用されていますが、中国では薬用植物として位置づけられ、高い機能性が認識されています。チョロギ塊茎に多量に含まれるオリゴ糖のスタキオースは、腸内環境を整える機能を持っており、日本でも日常の食材としてさまざまな食品への利用が期待されます。
一方、チョロギは栽培に手間がかからないため、農業振興に有用な作物であるといえますが、栽培期間が長く、収穫までに7~8カ月を要することが課題です。

【本件の内容】
近畿大学農学部の研究チームは、チョロギのスタキオース含量を維持したまま、栽培期間を劇的に短縮する栽培法の開発に取り組みました。
塩類濃度の低い培養液での挿し木において、培養液への酸素供給を組み合わせることにより、通常、2週間程度を要するところ、わずか1週間程度で根を出させる新技術を開発しました。これにより、チョロギのウイルスフリー苗を効率良く生産することが可能となりました。また、植え付け時期を変えた実験では、通常4月頃に塊茎の植え付けを行うところ、発根苗であれば9月の定植であっても十分な塊茎の生産が可能であることを明らにしました。さらに、この栽培方法によって得られたチョロギのスタキオース含量は、従来の栽培方法と変わらないことを確認しました。
これらの結果により、従来の栽培方法よりも大幅に作付け時期を遅らせ、わずか4カ月という短い期間でチョロギを収穫することが可能となりました。この新技術を活用することによって、各地域の主要な作物の裏作としてチョロギの生産が容易になり、より身近なものとして栽培することが可能になります。

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