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3Dプリンティング × CO₂で固まるコンクリート でベンチを製作。環境負荷低減と地域にゆかりのある意匠を実現して金沢市内の公園に設置--金沢工業大学、鹿島建設株式会社

Digital PR Platform / 2024年3月26日 14時5分

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 学校法人金沢工業大学(理事長:泉屋 吉郎、以下 金沢工大)と鹿島建設株式会社(社長:天野 裕正、以下 鹿島)は、建設分野向けのセメント系3Dプリンティングと、CO₂を材料として固まるコンクリート「CO₂-SUICOM®※」の技術を組み合わせた「カーボンネガティブ3Dプリンティング」に関する研究開発を共同で進めています。
 両者は今般、研究開発の一環として行っている公共物製作プロジェクトの成果として、同技術を用いてベンチを製作し、金沢市内の公園(外濠公園二号地)に設置しました。本プロジェクトにより、構造物の生産性向上に資する設計から製造に至るすべてのプロセスのデジタル化、並びに景観に馴染む意匠を表現するための複雑な形状の実現について実証することができました。また、3DプリンティングとCO₂-SUICOMの融合により、セメント系造形物として、効率的なCO₂の吸収・固定化を達成しています。
 両者は今後も、生産性の向上及びカーボンニュートラルの実現といった建設業が抱える課題の解決に資するため、本技術の研究開発を進め早期の社会実装を目指していきます。





【プロジェクトの背景】
 3Dプリンティングの技術は、従来の型枠を用いた施工方法では実現が困難な造形を可能にするものとして建設分野でも注目を集めており、研究開発が進んでいます。また、2050年カーボンニュートラル社会の実現に資する技術として、CO₂-SUICOMを含む環境配慮型コンクリートの開発も急ピッチで進められています。しかし、それらの社会実装を早期に進めていくためには、両技術を用いて製作した実用的な構造物をできるだけ多くの人が触れられる場所に設置し、実際に使ってもらうことでフィードバックを得て、さらなる改良・改善を行っていくことが必要です。そのため本プロジェクトでは、計画の当初から成果物を公共の場に設置することを目標とし、金沢市の協力を得て、産官学の取組みとして検討を進めてきました。

【ベンチの特長】
(1)CO₂の吸収効率の向上
3Dプリンタは型枠無しで複雑な形状の造形物を製作できることが大きな特長です。一方、CO₂-SUICOMは外部からCO₂を強制的に供給することで部材の表面からCO₂を吸収して固まるため、CO₂を効率的に吸収・固定化させるためには、CO₂との接触面積を増やすことが有効です。今回製作したベンチは、3Dプリンタの造形技術でベンチ脚部をヒダ形状にすることで、空隙がないベンチと比べ表面積を約1.7倍に増大、CO₂吸収割合を2倍以上にまで向上させました。

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