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ずっと効く免疫抑制化合物の発見

Digital PR Platform / 2024年7月19日 18時0分

[画像4]https://digitalpr.jp/simg/1706/91833/600_424_2024071813293466989a2ea4a4a.jpg


図3 解離の早いKSI-6666類似化合物の薬効
KSI-6666(左上)あるいは解離半減期の短い類似化合物(右上)をラットに投与後に血中の白血球減少を測定した(左下)。S1PR1調節薬をラットに投与するとリンパ球が減少して白血球が減少するため、白血球が減少している時間の長さが薬効持続性の目安となる。類似化合物の血中濃度は、KSI-6666の血中濃度とほぼ同じであるにもかかわらず(右下)、類似化合物の薬効持続性は、KSI-6666に比べて低い。

今後の期待                               
 これまで医薬品の薬効の持続性は、薬物の血中濃度で説明されてきました。すなわち代謝などで血中から早く消失する医薬品は持続性が低いとの考え方です。一方、本研究から、KSI-6666の持続性には、血中からの減少速度だけでなく、標的であるS1PR1からの解離速度が重要なことが明らかとなりました。
 つまり、持続的な薬効を持つ医薬品を開発するには、血中濃度の減少速度の測定に加えて、標的タンパク質からの解離速度の測定も重要です。また、分子動力学を利用したシミュレーション研究は、薬物解離のプロセスを予測するために有効な手段になります。
 本研究成果は、自己免疫疾患の治療に向けた医薬品の開発へ貢献するとともに、これからのさまざまな医薬品開発における重要な知見になることが期待されます。

論文情報                                
<タイトル>
Pseudoirreversible inhibition elicits persistent efficacy of a sphingosine 1-phosphate receptor 1 antagonist
<著者名>
Yuya Maruyama, Yusuke Ohsawa, Takayuki Suzuki, Yuko Yamauchi, Kohsuke Ohno, Hitoshi Inoue, Akitoshi Yamamoto, Morimichi Hayashi, Yuji Okuhara, Wataru Muramatsu, Kano Namiki, Naho Hagiwara, Maki Miyauchi, Takahisa Miyao, Tatsuya Ishikawa, Kenta Horie, Mio Hayama, Nobuko Akiyama, Takatsugu Hirokawa and Taishin Akiyama
<雑誌>
Nature Communications
<DOI>
https://doi.org/10.1038/s41467-024-49893-8

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