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【東京農業大学(共同研究)】動物と植物に共通した高温耐性と低温耐性の仕組みを発見

Digital PR Platform / 2024年8月20日 14時0分

 (「研究の背景と経緯」の文章の『』で囲われた部分は、過去のプレスリリース「温度への慣れに関わる脳・腸連関 令和4年7月27日 甲南大学」から引用(一部改変))


[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2209/93471/700_229_2024081916401466c2f6ded8f31.png

 これまでに、低温耐性や温度順化に関わる温度受容ニューロンとして、頭部に位置する3種類の温度受容ニューロンが見つかっています。温度受容ニューロンの一つが温度を受容すると、シナプスからインスリンを分泌して腸で受け取り、腸内の不飽和脂肪酸合成を抑制することで低温耐性を負に制御します。また、低温時には腸内の中性脂肪の量を増やします。一方、高温耐性に関しては、熱ショックタンパク質などが必要なことが知られています。しかし、低温耐性と高温耐性に共通した遺伝子は十分には分かっていませんでした。
 高温耐性は、植物においても解析が進んでいます。そのなかでも、モデル植物であるシロイヌナズナは、世界各地に2000種類以上の野生系統が存在します。そのうち高温耐性の低い系統と高い系統の責任遺伝子として、Long-term Heat Tolerance1 (LHT1) /MAC7を同定しました(図2)。LHT1/MAC7遺伝子は、mRNAのスプライシングに関与するRNAヘリカーゼ注9)をコードし、LHT1/MAC7はヒトのAquarius (AQR)の相同遺伝子でした。一方で、これらの遺伝子がヒトを含む動物の高温耐性や低温耐性に関与しているかは分かっていませんでした。


[画像4]https://digitalpr.jp/simg/2209/93471/700_236_2024081916412966c2f7291b630.png


<研究の内容>
線虫C. エレガンスの野生株N2は飼育温度依存的な高温耐性を示す
 線虫C. エレガンスの野生株N2が、過去の飼育温度に依存して高温耐性を変化させるか調べたところ、15℃で飼育された個体の大部分は31℃で死亡し、25℃で飼育された個体は31℃でも生存し、20℃で飼育された個体は半分ほどが生存できる表現型を示しました(図3)。これらの結果は、高温にさらされた後では、より高い温度に曝されても生存できるようになることを示しており、高温耐性の獲得や喪失が過去の飼育温度に依存することを示唆しています。

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