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【東京農業大学(共同研究)】動物と植物に共通した高温耐性と低温耐性の仕組みを発見

Digital PR Platform / 2024年8月20日 14時0分


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植物の高温耐性に関わる遺伝子が線虫の高温耐性と低温耐性にも関わる

 近年見つかったシロイヌナズナの高温耐性の多様性に関わるLHT1遺伝子が動物の温度耐性にも関わるか線虫を用いて解析しました。LHT1タンパク質はRNAヘリカーゼドメイン注9)とDNAヘリカーゼドメインをもつ遺伝子のスプライシングに関わるスプライソソーム因子注10)で、ヒトのAQRのホモログです。C. エレガンスではemb-4遺伝子によってコードされているEMB-4タンパク質のホモログであることが分かりました(図4)。



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 そこで、emb-4変異体の高温耐性を測定したところ、20℃または25℃で飼育した後に32℃に24時間置かれた際の生存率が野生株よりも低下していました(図5)。つまり、EMB-4は線虫の高温耐性を正に調節していると考えられます。一方、emb-4変異体の低温耐性を測定したところ、20℃または25℃で飼育した後に2℃に48時間置かれた際の生存率が野生株よりも上昇していました(図5)。つまり、EMB-4は線虫の低温耐性を負に調節していると考えられます。これらのことから、野生株のEMB-4タンパク質は高温耐性を促進させ、低温耐性を抑制させる機能があると考えられます。


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高温刺激や低温刺激を与えた際にemb-4変異体において発現変動する遺伝子を同定
 高温耐性と低温耐性においてEMB-4タンパク質がどのような遺伝子の発現に影響を与えるかをトランスクリプトーム解析から調べました。下記の(1)〜(4)の4つの比較条件で解析をし、それぞれ発現が上昇と低下している遺伝子を見つけました(図6)。
(1) 20℃で飼育し続け、温度変化を与えなかったemb-4変異体と野生型株で発現レベルが異なった遺伝子[20℃ =発現上昇(↑):1103個の遺伝子、発現低下(↓):173個の遺伝子]
(2) 20℃飼育後に2℃に9時間置いた場合に、emb-4変異体と野生型株で発現レベルが異なった遺伝子[2℃(9h) =↑:799個、↓:662個]
(3) 20℃飼育後に32℃に1時間置いた場合に、emb-4変異体と野生型株で発現レベルが異なった遺伝子[32℃(1h) =↑:1321個、↓:133個]
(4) 20℃飼育後に32℃に13時間置いた場合に、emb-4変異体と野生型株で発現レベルが異なった遺伝子[32℃(13h) =↑:480個、↓:161個]
 上記の4つの条件で共通して発現が変動する55個の遺伝子を見つけた[共通 =↑:46個、↓:9個](図6)。

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