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《“魚食危機”生態系の変化で魚が食べられなくなる!?》 COP29開催でも話題!気候変動の影響により大きく変化する海洋事情! “未来の魚食”や回転寿司業界を持続していくための「くら寿司」の取り組み

Digital PR Platform / 2024年8月20日 14時0分



1種類の生き物がいなくなっただけで生態系が崩れることも
予測不能な自然を予測するための研究と
未来の海を守るために留意すべきこととは
気候変動による漁場の変化によってどのような事態が起こるのか。影響と今後の対策について、「環境DNA」を駆使した海洋生物のビッグデータ構築を進める東北大学近藤教授に伺いました。

――気候変動等により、1種類の生き物がある場所からいなくなると、生態系にどんな影響があるのでしょうか。
 自然はとても複雑な精密機械のようなものです。海の中では、哺乳類、魚、プランクトン、海藻やサンゴ、その無数の生き物たちが影響し合い、増えたり減ったりしながらバランスを保っています。例えば、ある地域で1種類の魚が獲れなくなったとします。「たった1種類だし、別の地域で獲れるなら問題ないのでは」と考える人もいるでしょう。実際は、たった1種類がいなくなったことで、全体のバランスが壊れ、ほかの生き物が存続できなくなる可能性も大いにあるのです。

――魚の獲れる場所が変わることで、漁業関係者、生活者にはどのような影響があると考えられますか。
 ある魚が別の場所で獲れるようになったとしても、そのある魚が獲れてこなかった地域で商品化することは容易ではありません。魚を獲って、加工して、流通させる、という仕組みが整っていなければ、容易には実現できないのです。ならば加工場を協力して作ればよいかというと、それもそうではない。その魚が獲れるのは今年だけかもしれませんし、3年先には全く獲れないかもしれないのです。獲れる状況がどれくらい続くのか予測できないと、漁業関係者に大きなリスクが生じてしまいます。これからはどうやって新しく獲れるようになった魚、いなくなった魚に適応していくかが、関係者の大きな課題になっていくと思います。

――気候変動などで漁場は日々変化していますが、未来の海の状況を予測することは可能なのでしょうか。
 2012年から環境DNA※の研究を始め、2017年から全国各地でのサンプル採取を継続しています。生態系の変動予測はまだ世界でもほとんど成功していない分野です。やっとここ数年で、できる可能性が出てきた、という段階でしょうか。そのように、自然はさまざまなものが複雑に絡み合っていて予測が難しい。だからこそ地道に環境DNA研究を行い、データを取り続ける必要があるのです。環境DNAで得た大量のデータと良いモデリング、この二つが予測の鍵になってくれると期待しています。研究結果も2024年中には見えてくる予定です。

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