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光ファイバ伝送路の状態を測定器なしでエンドツーエンドに可視化できる技術を開発し、世界初、世界最高精度でのフィールド実証に成功 ~光ネットワークのデジタルツインの実現へ前進、迅速な光接続/保守が可能に~

Digital PR Platform / 2024年8月20日 15時8分



② 4次元光パワー可視化技術

 DLM技術により可能となった、光ファイバ伝送路中の距離方向に分布する光信号パワーの測定に加え、偏波、周波数、時間方向にまで拡張した4次元光パワー可視化技術の開発に成功し、これを同フィールド環境下で実証しました(図2)。この次元拡張技術により、光ファイバ伝送路中の複数の異常を位置特定することが可能になりました。
偏波、周波数、時間方向の光パワー可視化技術の内容は以下のとおりです。
・偏波方向:光ファイバの伝搬方程式として偏波多重マナコフ方程式(※6)を採用することで水平偏波と垂直偏波それぞれの光信号パワー分布を独立に求めることができるようになりました(図2右上段)。これにより、従来の光ネットワークでは不可能であった偏波依存損失(PDL: Polarization dependent loss) (※7)の分布測定が可能になりました。[6]
・周波数方向:波長分割多重(WDM: Wavelength division multiplexing)(※8)伝送システムにおける複数の周波数の光信号を用いてDLMを実施することで、任意の距離における周波数方向の光パワー分布を取得することが可能になりました(図2右中段)。これにより、光増幅器の周波数特性の異常の位置特定や次世代の広帯域光伝送システムにおいて顕在化するラマン散乱(※9)による信号間の光パワー遷移を詳細にモニタできるようになりました[7]。
・時間方向:今回光トランシーバに高速波形取得機能を実装したことで、連続的に受信した信号波形から光信号パワーの時間変動を可視化できるようになりました(図2右下段)。これにより、人的作業による光ファイバの曲げ損失など、光ファイバ伝送路中で発生した光パワーの時間変動の発生箇所を特定することが可能になりました。




[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/93527/600_376_2024082013330666c41c8210f8a.png


3. 実証実験の概要
 NTTは米国ノースカロライナ州ダーラムに実際に敷設されている光ファイバと商用光トランシーバを利用し、DLM技術のフィールド環境での実証実験を行いました[3](図3)。本実験は、NTTとデューク大学、NEC Laboratories America Inc.との共同実験であり、デューク大学によるフィールド敷設光ファイバ/実験設備の提供、NEC Laboratories America Inc.による実験装置の提供と最適化の協力のもと行われました。さらに今回の実証実験は、フィールド敷設光ファイバを用いたほか、800Gbpsの商用光トランシーバで高密度WDM伝送(※8)を行う、商用光ネットワークを模擬した条件で成功しており、本技術のフィージビリティを示すものとなっています。

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