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プラス電荷を失ったリシン側鎖がつくる新規な水素結合の発見- リシンについて教科書の常識を見直す。新たな分子間相互作用から創薬へ -

Digital PR Platform / 2024年8月27日 14時5分




Ⅲ.今後の展開
今回発見したリシンがアクセプターとなる水素結合の形成は、タンパク質内部の環境が非常に疎水的でリシン側鎖の脱プロトン化を促進していることが一因と考えられます。したがって、疎水性が強い環境においては、従来知られていた水素結合とは異なる未知の相互作用がタンパク質内部、あるいはタンパク質とリガンドとの分子間相互作用として用いられている可能性があります。従来の膨大なタンパク質の立体構造研究のデータの中で見過ごされてきた可能性も含め、RcaE以外のタンパク質でも実際にこのような水素結合が形成されるのか、丹念に調査する必要があります。そのような研究は、タンパク質の立体構造形成や、薬を含む多様なリガンド分子とタンパク質との相互作用の理解に貢献し、将来の薬の開発にも役立ちます。



参考文献
Y. Hirose et al., Green/red cyanobacteriochromes regulate complementary chromatic acclimation via a protochromic photocycle. Proc Natl Acad Sci U S A 110, 4974-4979 (2013). T. Nagae et al., Structural basis of the protochromic green/red photocycle of the chromatic acclimation sensor RcaE. Proc Natl Acad Sci USA 118 e2024583118 (2021). T. Nagae et al., Green/red light-sensing mechanism in the chromatic acclimation photosensor. Sci Adv 10, eadn8386 (2024). H. Ishikita, Origin of the pKa shift of the catalytic lysine in acetoacetate decarboxylase. FEBS Lett 584, 3464-3468 (2010). T. Noji, Y. Chiba, K. Saito, H. Ishikita, Energetics of the H-Bond Network in Exiguobacterium sibiricum Rhodopsin. Biochemistry 10.1021/acs.biochem.4c00182 (2024).

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