HPVワクチンの「副反応」に関する論文の欠陥をイラストで解説 ワクチン接種について正しい理解を促す
Digital PR Platform / 2024年8月30日 20時5分
(2)HPVワクチン「分子相同性仮説」の誤り
「分子相同性」とは、ウイルスとヒトの細胞・組織を構成する分子が似ている(相同性)ことを表します。「分子相同性」がある場合は、ウイルスに対して作られた抗体が、そのウイルスに結合するだけでなくヒトの細胞にも結合し(交差反応)、結合した細胞を傷害してしまう可能性があります。実際に分子相同性で神経障害が起こる例として、カンピロバクターの感染により生じるギラン・バレー症候群が知られていますが、「分子相同性」による障害は極めてまれです。実際にHPVワクチンを接種した人の血液中に、HPV L1タンパク質とヒトのタンパク質の両方に結合する交差反応を示す抗体が見つかったことはありません。
HPVに分子相同性があると報告した先行研究では、HPVのL1タンパク質とヒトのタンパク質のアミノ酸配列をコンピュータ上で比較し、共通配列を「発見」しました。そのため、HPVはヒトのタンパク質と「分子相同性」があり、HPVワクチン接種により交差反応を起こす抗体が作られ、ヒト細胞の障害は避けられないと結論付けています。
しかし、本研究チームは、先行研究で「発見」されたアミノ酸の共通配列は、抗体が結合することができる抗原の、ほんの一部分に過ぎないことを指摘しました。たとえば、抗体が結合できる抗原のアミノ酸の全長が15個の長さであった場合に、先行研究では、そのなかの7個のアミノ酸がHPVとヒトのタンパク質の間で共通配列であったと「発見」しています。しかし、抗体が抗原に結合する場合は、15個すべてのアミノ酸が共通配列である必要があり、一部分が共通配列であっても、抗体は抗原に結合できません。また抗原の一部分のみが共通である場合、「分子相同性」と呼ぶことは免疫学の基礎知識から誤りと指摘できます。
(3)HPVワクチン副反応「マウス再現実験」の誤り
ワクチン「副反応」の根拠として動物実験の論文は2つあり、いずれの論文もHPVワクチンをマウスに注射して、それによってマウスの脳に異常が見られたと報告しています。ところが、論文では、(1)ワクチンの他に百日咳毒素もマウスに投与されている、(2)マウスの血中のHPV L1抗体の濃度と神経障害の関連がない、(3)脳障害の証拠として示された顕微鏡写真がマウス一匹からのデータしか示されていないなど、実験方法やデータ提示方法に誤りが複数ありました。2つの論文とも、一度は国際科学誌に掲載されたものの、同科学誌によって論文の掲載が撤回されており、このことからも論文の信頼性が欠けることは明らかです。
この記事に関連するニュース
-
11月は“子宮頸がん予防啓発月間”クレアージュ レディースドッククリニックが20~30代女性に調査 検診とワクチン、どちらかでよいと考える女性が半数という結果に
PR TIMES / 2024年11月27日 12時45分
-
23歳で突然のがん宣告、子供産めない体に 元アイドルが伝えたいワクチンへの理解
MBSニュース / 2024年11月19日 10時18分
-
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株に有効な抗体の特徴を解明
PR TIMES / 2024年11月13日 12時45分
-
「HPVワクチン」を接種する男性が増えているワケ。“子宮頸がん予防”だけではないメリットと副作用を医師が解説
日刊SPA! / 2024年11月11日 8時53分
-
【11月は子宮頸がん予防啓発月間】世界一斉ライトアップ開催!11月17日(日)18日(月)子宮頸がん検診受診啓発とHPVワクチン理解促進に向けたメッセージを公式アンバサダーを任命し発信スタート
PR TIMES / 2024年11月1日 10時15分
ランキング
-
1ワークマンは「8800円ランドセル」で勝負…「過去最悪の少子化」でも異業種がランドセル市場に続々参入するワケ
プレジデントオンライン / 2024年11月29日 16時15分
-
2電気・ガス料金高止まり「風呂キャンセル」「設定温度1℃」で何円変わる? “ちょっとした”節約術をご紹介【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月29日 21時59分
-
3《総フォロワー500万人のインフルエンサー》なな茶がイベント“ファンの大量ドタキャン”に怒りの告白「すべて出禁にさせていただく」「“グラビアなんかしてるから”と心無いコメントも」
NEWSポストセブン / 2024年11月30日 11時15分
-
4ついに「スタバ離れ」がはじまった…カスタマイズするほど長くなる注文の"意外な落とし穴"
プレジデントオンライン / 2024年11月30日 9時15分
-
5路上ライブは「グレーな文化」として容認すべきか 「迷惑行為」「アーティストとしての表現」境界線
東洋経済オンライン / 2024年11月30日 8時51分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください