世界初、超長波長帯一括変換を用いた100テラビット毎秒超の長距離光増幅中継伝送に成功 ~IOWN/6Gに向けて単一コア光ファイバにおける既存技術の3倍超の大容量化へ~
Digital PR Platform / 2024年9月3日 15時6分
[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/94351/600_301_2024090311254666d673aa82176.JPG
2.技術のポイント
① 波長帯一括変換技術を適用したU帯用光増幅中継器
現在、U帯に対応した光等化器などのデバイスがほとんどないためU帯波長多重信号をそのまま光増幅中継するのは困難です。本成果では、光パラメトリック増幅の1機能である波長帯変換に着目し、L帯とU帯間で波長帯変換が可能なPPLN導波路を新たに設計・作成し、波長帯一括変換器として実装しました。さらに、この波長帯一括変換器と既存機器であるL帯のEDFA・光等化器とのハイブリッド構成のU帯光増幅中継器を構成しました(図3)。本中継器では、U帯波長多重信号をL帯に変換し、L帯で利得等化とその損失をEDFAで補い、再度U帯に変換することで、帯域4.5 THzの高品質なU帯光増幅中継を可能にしました。
[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2341/94351/600_231_2024090311254666d673aa171b4.JPG
②広帯域伝送設計技術
U帯は、一般的に、光ファイバの曲げ損失や光ファイバの素材であるシリカガラスの特性による赤外吸収損失が増えていく波長帯となっています。一方で、帯域10 THzを超える広帯域波長多重信号が光ファイバ上を伝搬すると、短波長側から長波長側の信号に光パワーの遷移が生じる、「誘導ラマン散乱」と呼ばれる現象が生じます。誘導ラマン散乱は、各波長の光信号パワーや、波長多重信号の光スペクトル形状などに依存して複雑に変化するため、最適な伝送条件を実験的に調べるのは困難です。NTTでは、ガウシアンノイズモデル(※8)と呼ばれる理論計算モデルを独自に改良し[2]、3つの波長帯の合計伝送容量が最大になるように、実験上の制約も考慮して伝送条件を計算し、光増幅中継伝送実験に適用しました。これにより、この誘導ラマン散乱効果を利用し、従来帯域であるC帯、L帯の信号光から、損失の大きいU帯信号にパワーを遷移させることでU帯において実効的に低損失化し (図4)、伝送容量と長距離化を両立する高精度な伝送設計が可能になっています。
[画像4]https://digitalpr.jp/simg/2341/94351/500_260_2024090311254666d673aa8fee1.JPG
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