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「第三十五回 伊藤園お~いお茶新俳句大賞」入賞作品発表

Digital PR Platform / 2024年10月9日 13時0分


大賞
賞金:20万円 賞品:賞状、受賞作品掲載「お~いお茶」1ケース、受賞作品掲載額、入選作品集[自由語り]

【小学生の部(幼児含む)】 応募総数437,931句
ふでばこにしまうやわらかいはるのくさ
小宮 花菜(こみや はな)さん 8歳 東京都中野区

(選評)
春になって、元気よく育ったやわらかい草を摘んできて、ふでばこにしまっておきます。すると、なんだか春の草から元気をもらったような気持ちになってきて、ふでばこの中の鉛筆までが、春の陽気に誘われて嬉しそうに感じられます。


【中学生の部】応募総数484,015句
コーンスープ残り一粒反抗期
小西 悠生(こにし ゆうせい)さん 14歳 兵庫県川西市

(選評)
コーンスープをおいしそうに頂いています。うまい。コーンの一粒一粒の口当たりに、軽い抵抗感があって、その食べ応えがなんとも言えない旨味です。コーンの残り一粒を丹念に噛んでみると、その名残り惜しいばかりの噛み応えが、反抗期の子の最後の意地っぱりのようで、かえって愛らしい気がしてきますね。


【高校生の部】 応募総数809,083句
鯨鳴く届かぬ声は僕が聴く
谷口 蓮於(たにぐち れお)さん 18歳 大阪府大阪市

(選評)
鯨は、声帯がないために、鼻の奥にあるひだを振動させて音を出すのだそうです。その独特の声は、届きにくいものでしょうが、僕なら鯨の気持ちを察して聴いてやれるよというのでしょう。十八才の作者の、届かぬ思いの丈のように、僕なら察してやれるのにと思っているからではないでしょうか。


【一般の部A(40歳未満)】 応募総数44,680句
日記書く自分と飲みに行きたい日
水関 実法子(みずせき みほこ)さん 27歳 北海道函館市

(選評)
いつもの日記を書いている或る日、なんだかくさくさして、やり切れないようなうんざりした気分がしています。こんな日は、ほかの誰でもなく、そんな自分だけと一緒に飲みに行きたいなと思う。飲んで一度きれいさっぱりと、自分をリセットしたい気持ちです。そんな気分を日記に書いて、そうすればよかったと悔いているのです。でも、日記に書いただけでも少しは落ち着いたのではないでしょうか。


【一般の部B(40歳以上)】 応募総数80,344句
グレイヘアの紅いヘアピン若葉風
安藤 浄子(あんどう きよこ)さん 80歳 兵庫県明石市

(選評)
高齢の婦人の品のいいグレイヘアに、紅いヘアピンが覗いています。そのさりげないお洒落が、とてもチャーミングで、若葉風の吹き渡る川沿いの道に、しっとりした情感のようなピンポイントをもたらしています。夫との散歩の途中で、そんな人とすれ違っただけなのに、なぜかその川沿いの道が、もっと好きな道になったのかも知れません。私もあんな風に老いたいなとも思いつつ。

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