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「役員報酬サーベイ(2024年度版)」の結果を発表

Digital PR Platform / 2024年10月25日 10時10分

■業績指標
トップエグゼクティブの報酬に採用されている指標は、「営業利益」が、短期インセンティブ報酬(42.7%)、長期インセンティブ報酬(40.1%)ともに最も多かった。短期インセンティブ報酬では「当期純利益」(29.4%)が続き、売上や利益をKPIとすることが一般的となっている。長期インセンティブ報酬では、「ROE」(23.8%)が続いた。また、資本コストや株価を意識した経営に伴い、株主価値を捉える指標の採用が徐々に増えてきており、「TSR」が7.6%(前年比+2.9ポイント)、「EPS」が2.7%(前年比+0.1ポイント)であった。
近年の気候変動対応や人的資本経営の要請に伴い、ESG指標を役員報酬評価に採用する企業も年々増加している。短期もしくは長期インセンティブ報酬のいずれかを導入し、それら報酬にESG指標を連動させる企業割合は、プライム上場企業で23.9%(前年比+6.5ポイント)、売上高1兆円以上の企業では63.9%(前年比+2.8ポイント)に達した【図2】。大手企業を中心に、役員報酬を介したESGに対するコミットメントが仕組み化されてきたといえる。採用が多いESG指標は「従業員エンゲージメント」80社、「CO2排出量」67社、「女性管理職比率」56社、「GHG排出量」50社と、気候変動および従業員関連指標が先行している。

【図2】役員報酬におけるESG指標の活用状況

[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2100/97560/700_287_2024102314473467188df64dceb.png


■マルス条項・クローバック条項の導入状況
報酬制度の見直しにあたり、重要な検討項目の一つが報酬におけるリスク管理である。2015年のコーポレートガバナンス・コードの適用開始以降、役員報酬制度の整備・進展に伴い、不正防止や過度なリスクテイクの抑制を目的としてマルス条項・クローバック条項の導入・検討が進んでいる。JPX日経インデックス400企業におけるマルス条項導入済企業は64.8%(92社)で前年(54.0%)より10.8ポイント増加した。一方、クローバック条項導入済企業は24.6%(35社)で前年(23.7%)とほぼ同水準であった。現在検討中の企業を含めるとマルス条項で69.0%、クローバック条項で35.2%の企業にいたる。米国・英国では業績連動報酬に対するマルス条項・クローバック条項の適用は一般的となっており、大手企業を中心に、日本においても導入が進んでいる。今後、報酬水準・インセンティブ報酬比率の上昇に伴い、導入がさらに進んでいくと見込まれる。

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