「役員報酬サーベイ(2024年度版)」の結果を発表
Digital PR Platform / 2024年10月25日 10時10分
■海外子会社ガバナンス
海外子会社を有する企業において、現地CEO・社長の報酬を国内親会社のCEO・社長が決定する企業は46.6%と、約半数に及んだ。CEO・社長以外の現地役員の報酬については、現地CEO・社長が国内親会社と協議しながら決定する企業が34.8%で最も多かった。
海外子会社役員の報酬決定に親会社が関与する432社に、報酬ガバナンスの課題を尋ねたところ、「グループ全体で共通の報酬評価制度の枠組みが整備されていないこと」を挙げる企業が52.8%で最多。次いで「現地の報酬制度にかかる税制・法令等の情報収集が困難」と感じている企業が43.3%、「現地における適切な報酬水準がわからない」を挙げた企業が36.1%であった。多くの企業で海外子会社のガバナンスに関し、課題を有している。
■人的資本経営の取り組み
2023年3月期より、有価証券報告書において人的資本に関する戦略並びに指標・目標の開示が求められており、企業の取り組み・開示に、投資家やステークホルダーからの関心が高まっている。人的資本経営の取り組み・検討を実施している(完了含む)企業は70.0%(893社)で、前年(60.5%)より9.5ポイント上昇した。人的資本経営の取り組みが着実に進んでいることが伺える。一方、検討・計画に着手できていない企業は24.9%(前年31.0%)であり、中でもグロース上場企業および非上場企業は、その割合が過半数に及んでいる(それぞれ、51.5%、58.0%)。検討・計画に着手できていない企業の割合は前年より減ってはいるものの、人的資本経営の取り組みは今後も継続して取り組むべきテーマの一つとなっている。
人的資本経営の検討・取り組み内容は、「業務のデジタル化推進」(4.1点)や「時間や場所にとらわれない働き方の施策立案」(3.7点)、「ハイブリットワークの推進」(3.7点)が先行する結果であった。新型コロナウイルス感染症拡大が収束した今もなお、働き方改革の影響が寄与しているといえる。一方、CHROの設置やリスキル(いずれも2.1点)は依然として未対応企業が目立つ。【図3】
また、人的資本経営の検討・取り組みを進める企業における人的資本経営の課題としては、「経営戦略実現に資する人材の確保・育成」(48.4%)、「社員のエンゲージメントレベルの向上」(39.1%)、「経営戦略と人事戦略の連動」(38.3%)が挙げられた。企業独自のストーリーを描き、求められる対応を適切に把握していくことで、人的資本系の取り組みを促進させていくことが期待される。
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