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6Gにおけるサブテラヘルツ帯の超高速無線を実現する小型無線デバイス ~InP集積IC技術により300GHz帯において世界最高の160Gbpsデータ伝送に成功~

Digital PR Platform / 2024年10月28日 15時7分


[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2341/97764/600_332_20241028142913671f2129c0912.png


図1:本成果の位置づけ

RF(Radio Frequency)周波数は、無線通信で使用する帯域の中心周波数を指します。また、凡例のCMOS, SiGe, InP は、それぞれ、FEに用いているテクノロジを指します。CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)は半導体シリコン(Si)を用いた電界効果トランジスタ技術、SiGe は、半導体シリコンゲルマニウムを用いたバイポーラトランジスタ技術となります。

2.研究内容
 FE には、無線信号の送信を行うTransmitter (TX)と、受信を行うReceiver(RX)があります(図2)。
FE は、ベースバンド/IF 部で生成したデータ信号を300GHz 帯のRF 信号に周波数変換する機能を
持つアナログ回路で構成されます。TX は、周波数変換を行うミキサ、ミキサで発生したRF 信号を
増幅するためのRF 用電力増幅器(RF PA)、ミキサ駆動に必要なLO 信号電力を確保するための
LO 用電力増幅器(LO PA)で構成されます。RX は、ミキサ、受信RF 信号を低雑音に増幅するため
の低雑音増幅器(LNA)、LO PA で構成されます。300GHz 帯のFE を実現するためには、これら構
成要素部品を300GHz 帯で動作させる必要があります。


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2341/97764/700_179_20241028142913671f212962124.png


図2:FE の構成

IF(Intermediate Frequency, 中間周波数)信号は、FE で用いられるRF 信号よりも低周波の信号です。また、LO(Local Oscillator, 局部発振)信号は、IF 信号とRF 信号との間の周波数変換を行うミキサを駆動するための信号です。

 NTTは長年培ってきた高速トランジスタであるInP-HEMT技術、および、高周波アナログ回路設計技術を用いて、300GHz帯FEの研究開発に取り組んできました。2020年には、製作したFEを用い、当時としては世界最高の120Gbpsのデータレートを実現しています(参考文献1)。
 これまでのFEは、その要素部品である増幅器や周波数変換を担うミキサなどを個別のモジュールとして設計・製作し、それらを組み合わせた形態(バラック形態)で実現してきましたが、要素部品を自由に組み合わせた柔軟なFE構成が可能である一方、次の2つの課題がありました。
①複数モジュールを組み合わせてFEを構築するため、FEのサイズが大きくなる
②モジュール間の接続部(損失や帯域減少の要因となる)が複数存在することでFEの動作帯域が制限され、データレートの向上が困難

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