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新潟国際アニメーション映画祭 昨年の手ごたえ、今年の見どころをディレクター、プロデューサー陣に聞く

映画.com / 2024年3月6日 19時0分

井上:そういう意味では、昨年グランプリを獲った「めくらやなぎと眠る女」は、海外のクリエイターが日本の村上春樹原作を撮っていることが逆にショックというか。ちょっと俺たち怠けてたんじゃないか?みたいな気持ちになりましたね。ああいう視点があるって気づけたことが新鮮でした。

数土:日本人から見るとちょっと違う日本じゃないですか。そこが面白いなと思いました。でも、その方がむしろ村上春樹ワールドっぽく見えるんですよね。

井上:海外の人が見たい東京や日本の風景のフィルターを通したというか、我々が知っているのとは違う日本が垣間見えましたね。

真木:谷口ジローさんのマンガが原作の「神々の山嶺」も、フランス人が監督していますが、東京でロケハンは一切していないんですよね。日本のアニメ好きが作っているけれど、どこか視点が日本人とまた違う。その違いは良い悪いじゃない。

井上:こういう視点があって、こんな風に見えているんだな……というのが一つ一つ勉強になるというか、面白いところ。日本のアニメ制作者も刺激になると思います。

真木:日本で行う映画祭だから当然日本のアニメが多く上映されて、影響を受けた海外クリエイターが来て、作品にどこか日本からのルーツがあるというのはもちろんいいのですが、今はもうそうではなく、世界中にアニメがあふれていて、いろんな国の人がいろんなメッセージを発信して、そして受け取っている。で、そういうことを日本のアニメ業界も知る大きなチャンスの一つだと思います。

――今回の海外作品のラインナップの特徴や見どころを教えてください。

数土:今回タイの作品がコンペに1本、世界の潮流部門に台湾の作品が入っています。両方とも監督が来日してトークを行います。日本やアメリカ、ヨーロッパだけでなく、タイや台湾というアジアの地域でもこういった豊かな長編が生まれていることを知ってほしいですね。日本でやる映画祭だからこそ、今後アジアの作品を積極的に紹介していきたい気持ちもあります。

真木:食わず嫌いなことかもしれませんが、日本はほぼ国内のニュースばかりやっていて、日本人は海外のことをあまり知らないじゃないですか。だから、例えばタイのアニメを見て、今のタイの社会状況やアニメの製作技術も上がっていることを知る、そんな新しい発見があると思うんですよね。

井上:ヨーロッパやアジア、中南米から来た作品もあるし、世界のいろんな地域から集まっているのがすごいですよね。

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