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黒沢清監督が語るアジア・フィルム・アワードの思い出 共同製作、新作映画、今後の展望についても明かす

映画.com / 2024年4月9日 10時0分

――今回のAFA期間中には「トウキョウソナタ」のトーク付き上映も行われました。1時間にも及ぶ非常に濃厚なトークでした。

 司会の方が本当に詳しくて、「トウキョウソナタ」に関係ないことも、色々質問されました。とても楽しかったのですが、見に来たお客さんが「この内容についてこられるのか?」とちょっと不安になりました。

――2008年に劇場公開された「トウキョウソナタ」が、2024年の香港で上映されました。観客との交流はいかがでしたか?

 「トウキョウソナタ」は、元々香港の会社が僕に持ちかけてくれた企画です。ある意味、香港とは最初から縁があった作品でした。ただ正直なところ、僕の作品がどれだけ香港の観客たちに受け入れられているのか、僕の作品をどのように見てくれているのか、少し心配でした。例えば、僕の一部のホラー映画が好きなファンは、「トウキョウソナタ」を含めたホラーではない作品は好きなのだろうかと勝手に不安になっていましたが、(上映会には)多くの若い人たちもいましたし、「トウキョウソナタ」以外にも色々作品を見てくれていた。熱心な若い映画ファンが、僕の映画を気に入っていてくれていることに大変驚きましたし、とても嬉しかったです。

――アジア・フィルム・アワードは、アジアの映画人が集まる場です。改めて、ここ10年間のアジア映画は、世界中で一気に注目されるようになりました。この現象に関してはどう思いますか?

 アジアといっても、本当に多様ですよね。香港や中国、日本や韓国に限らず、インドもアジアですし、イランもアジアです。色々な国があり、文化も言葉も全部違います。ある意味“西洋”とは少し違いますよね。非常に大きくて、しかも1つにまとめることができない。西洋の外側にものすごく大きく広がっているというか、映画の可能性がどんどん広がっている印象はあります。まぁ、映画はすでに西洋もアジアも関係なく、とても流動的ですから。映画表現がますます豊かになっているという素晴らしいことだと理解しています。

――確かに、いまの映画界は非常に流動的ですね。国同士というより、作家同士の交流も多く、国籍関係なく、映画を作っています。西洋は以前からこの傾向が続いていますが、最近のアジアでは共同製作が増えた印象です。黒沢監督は、以前「一九〇五」という幻の企画がありました。今後、もしチャンスがあれば、海外との共同製作に挑戦したいと思っていますか?

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