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【ネタバレ解説】「SHOGUN 将軍」真田広之のこだわりに圧倒される10の裏話 なぜ本作が描く日本は“本物”なのか?

映画.com / 2024年4月19日 15時0分

【8】刀の抜き方、適切なお辞儀、魚網の結び方――身分によって異なる所作

 登場人物の所作もまた、“本物”にこだわる上では避けては通れない重要な要素だ。撮影現場では、日本の専門家が、主要キャストはもちろん、村人、侍、侍女、遊女、小姓などを演じる数百人のエキストラに、1600年の日本にふさわしい歩き方、座り方、立ち方、周りの人間との接し方などの所作指導を行なった。単純な動作でさえも、身分によって異なる意味を持つからだ。

 「ちょっとした綻びから、登場人物なり、時代設定なりが嘘に見えてしまう。だからできるだけ、ディテールにこだわって作らないと、視聴者はその世界にタイムトラベルできない」と語るのは、テクニカルスーパーバイザーの原田徹だ。

 侍の所作には、刀の抜き方、持ち方、構え方なども含まれる。小姓や侍女には、襖の開閉や給仕や適切なお辞儀。上流階級の女性には、打掛の捌き方や滑るような歩き方、角の曲がり方。村人には、時代に適した道具の使い方、魚網の結び方、大名や領主が側にいる時の反応、立ち位置の取り方などが、細かく指導された。

【9】専門チームが結集し生まれた、“シネマティック”な南蛮船漂着シーン

 全10話で構成された本作は、クリストファー・ロス、サム・マッカーディ、マーク・ラリベルテ、アリル・レットブラッドの4人によって撮影された。

 第1話・第2話の撮影監督を務めたロスは、イギリス人航海士のジョン・ブラックソーン(後の按針/コズモ・ジャービス)が乗り込んでいた南蛮船・エラスムス号が、虎永の領地である網代の漁村に漂着するシーンをこう振り返る。

 「セットは船の一部を約20度傾けることができる、ギンバルという装置の上に建設されていた。船は左右に激しく揺れ、俳優たちは2ページにわたる長いシーンを演じ、スタントチームはワイヤーを使ってスタントパフォーマーを甲板上で引っ張り、特殊効果チームはチップタンクから我々に向かって何百ガロンもの水を注ぎ、特機チームは太陽を遮る巨大な装置を動かし、ジョナサン・バン・タレケン監督と私は一連の長回しカットをデザインして撮った。大変だったが、間違いなくシネマティックだった」

【10】真田広之、「SHOGUN 将軍」は海外進出20年の“集大成”

 なぜ「SHOGUN 将軍」が描く日本は“本物”なのか? その舞台裏をさまざまな角度から紹介してきたが、最後はやはり、主演・プロデューサーを務めた真田の功績に改めて触れなければいけないだろう。

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