1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 映画

【インタビュー】田中泯、俳優業は「全て偶然」 世界配信「フクロウと呼ばれた男」では、暗躍する大物フィクサー役

映画.com / 2024年4月25日 14時0分

 そうですね。先ほども言いましたが、どんな役でも器用に演じられるわけではない。でも、役柄に対して「何かの偶然や運命のいたずらで、自分もひょっとしたら、こんな人間になっていたかもしれないな」って。そう思える役なら演じてみようと決めているんですね。例えば、「メゾン・ド・ヒミコ」(05)とかね。そういった意味では、お断りする仕事もけっこう多いです。

 僕らの仕事は、全て偶然のおかげで、いまこうしていられるわけで、偶然の組み立て違いで、どうなっていたかわからないですからね。(天を指さしながら)そもそも、あの両親のもとで生まれたというのも偶然なんですから。僕が選んで生まれてきたわけじゃないでしょ(笑)。

――作品との出合い、監督や共演者との出会いもまた“偶然”の産物と言えるかもしれません。

 全くその通りだと思いますね。「あぁ、あの監督とお仕事できるんだ、うれしいなぁ」ってね。それに、もしも初めての出演映画が「たそがれ清兵衛」じゃなければ、いまの僕は、一体どうなっていたかなと思いますね。だから、僕はすごく運が良かったですね。ちょっと休憩していると、山田洋次監督がそばに来て、いろんな話をしてくださったり。映画ならではの共同作業というか、みんなで作っていくことに感動した覚えがあります。

 でもね、当時は「これで演技はやめよう」と思っていて、ずっとやろうとは思ってなかったんですけど。何となく、ひとつ、ふたつ、三つと重ねていくうちに、「あぁ、これは面白いことになるんじゃないかな」と思い始めて。だから「作品が楽しみだ」と言ってもらえるのは、本当にうれしいし、ありがたいことなんです。

●街を歩いていても、気付かれず? 「ファミレスで食事もしていますよ」

――最近では、坂本龍一さんが全曲を書き下ろした舞台「RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI『TIME』」の東京公演を終えたばかり。この作品はオランダ、台湾での公演を経て、日本初上演が実現しました。また、ご出演したヴィム・ヴェンダース監督の「PERFECT DAYS」は、日本で生まれ、いまや世界中の観客を魅了しています。“作品とともに、旅をしている”。そんな感覚がありますよね。

 「PERFECT DAYS」は、いま80カ国くらいで(配給が)決まっていると聞いていて。まあ、若い頃から、世界中を旅していて、当時からいろんな映画監督にも出会っているんですよね。ヴィムもそのひとりで、日本へ来て「PERFECT DAYS」のキャスティングしているときも「そういえば、田中泯はまだ踊っているか?」って。それで会いたいということになり、出演することになりました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください