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【インタビュー】細田佳央太、注目度急上昇も「人気は副産物」 デビュー作から変わらぬ俳優としてのスタンス

映画.com / 2024年7月3日 10時0分

 「七夕の国」という作品は、特殊な能力をめぐるミステリーやSF的な戦いが、壮大なスケールで描かれていますが、背景にあるのが“丸神の里”と呼ばれる小さな町ですよね。古くからの伝統を守り続ける町の閉鎖的な雰囲気が、海外の人たちにどんな風に見えるのか、文化的な面も含めて、すごく興味がありますね。

 僕自身は留学経験もありませんし、日本特有の考えや価値観に触れながら育ってきましたが、作品に関しては「日本人が作った日本だからこそ説得力はある」という自信はあるので、それがどんな反応で返ってくるのか好奇心が湧いています。きっと海外の人たちが、日本をどう見ているのかも知ることができるでしょうし。

――言葉にすると少し難解かなと思える設定も、見事に映像化されていると思いました。

 そうですね。確かに、“球体の力”とかロジックを理解するのは、難しさもあるかなと思ったんですが、原作を丁寧に台本に起こしているし、テンポも良いので、身構えずに楽しめる、とても見やすい作品になっていると思います。

 あの球体はもちろん、現場では見えませんから、演じるときは、球体の発泡スチロールに棒が刺さったものを、助監督さんが「こう動きますよ」とイメージを見せてくださいました。実は、丸神の里の遠景もCGなので、自分史上最もCGに囲まれた撮影だったかもしれません。マーベル作品の俳優さんは、そんなことが当たり前だと聞きますから、順応する技術はすごいなと思いますね。

――細田さんといえば、「町田くんの世界」(石井裕也監督)で一躍脚光を浴びたという印象が強いですし、最近では「ドラゴン桜」「どうする家康」と、これまで以上に俳優として注目される存在になったと思うのですが、こうした状況について、ご自身はどのように受け止めているのでしょうか?

 俳優というお仕事をさせてもらう上で、確かに注目していただくに越したことはないですし、いまはいろんな形で、人気や知名度を測られることも多いので、目に見える数字というものも大切だとは思っています。

 ですが、個人的な気持ちをお話しすると、そういった部分を優先してお仕事をしているつもりはないんですね。映画やドラマ、ものづくり全般を含めた芸術は、衣食住と比べれば、人間が生きていく上では必要ないのかもしれません。それでも、人間の手によって生み出される芸術が、現代まで廃れることなく受け継がれた意味みたいなものを考えると、それが僕のなかでもすごく大事で。俳優という仕事をしている理由も、そこが大きいですね。

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