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今年の上海国際映画祭を振り返る 作家性の強い日本映画に反響、メジャー映画には危機感【アジア映画コラム】

映画.com / 2024年9月6日 9時0分

今年の上海国際映画祭を振り返る 作家性の強い日本映画に反響、メジャー映画には危機感【アジア映画コラム】

 北米と肩を並べるほどの産業規模となった中国映画市場。注目作が公開されるたび、驚天動地の興行収入をたたき出していますが、皆さんはその実態をしっかりと把握しているでしょうか? 中国最大のSNS「微博(ウェイボー)」のフォロワー数280万人を有する映画ジャーナリスト・徐昊辰(じょ・こうしん)さんに、同市場の“リアル”、そしてアジア映画関連の話題を語ってもらいます!

 8月30日、山田尚子監督の最新作「きみの色」が日本国内で公開されました。

 本作は、今年6月上旬にアヌシー国際アニメーション映画祭2024でワールドプレミアを迎え、6月下旬には上海国際映画祭の金爵賞(コンペティション)アニメーション部門でアジアプレミア上映を行っています。その際は、山田監督、企画・プロデュースの川村元気氏が登壇。数日後、金爵賞アニメーション部門の最優秀作品賞を受賞しています。

 受賞時、私の近くには山田監督が座っていました。彼女の喜びの笑顔は、今でも鮮明に覚えています。

 日本映画は、熊切和嘉監督の「658km、陽子の旅」の3冠に続き、2年連続で上海国際映画祭で受賞を果たすことになりました。

 金爵賞アニメーション部門での受賞は、日本作品としては、湯浅政明監督作「きみと、波にのれたら」以来、5年ぶりの快挙となりました。

 振り返ってみると、昨年の上海国際映画祭は、コロナ明け初の開催でした。当時はコロナの影響がまだ残っていたので、特に海外ゲストの渡航などで、非常に困難が生じていました。

 今年は“完全復活”となり、コンペティション部門の審査員長トラン・アン・ユンをはじめ、多くの映画人が海外から映画祭に現地参加。期間中は、各会場が非常に盛り上がっていました。

 ということで、今回は今年の上海国際映画祭のデータ、上海国際映画祭における日本映画の反響と現状について書かせていただきます。

 まずは、今年の上海国際映画祭のデータから見てみましょう。上映作品本数は、461作品。それらが47館の映画館で合計1636回も上映されています。合計動員人数は延べ49.5万人となっており、その中の約3割は上海以外のエリアから参加した映画ファンです。これは“コロナ前”の数字と比べてみても遜色ない値です。

 また、SNS上のトレンド入りは100回以上を達成。関連PV数も12億回を超えており、映画祭期間中の注目度は非常に高かったんです。

 日本映画に関しては、新作・旧作を含め、合計57本の作品が上映されました。その中で、約10作品のゲストが現地で映画祭の観客と交流を行いました。

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