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アーミル・カーン、映画製作における信念を明かす「不平等、不公平な構造――それに気付いた以上は語り、表現したい」【「花嫁はどこへ?」インタビュー】

映画.com / 2024年10月4日 11時0分

 原案となる脚本を読んだ時にすぐに感情移入し、驚くほど引き込まれました。花嫁が入れ替わって別の場所に辿り着き、夫は別の花嫁を連れて帰ってくる…という不条理で衝撃的な状況を描いた物語に夢中になったんです。そして読み進めるとユーモアも満載で、インド人である我々がどう振る舞うべきかや女性に対する社会や個人の態度など、考えなければならないことをたくさん教えてくれる内容でもありました。

 また登場人物がそれぞれ何かしらと戦う物語でもありますよね。ある女性は母親にしたくもない結婚をさせられ、結婚先でやりたい勉強はさせてもらえそうにない。あらゆるものが彼女を追い詰める逆境の中で、彼女は希望を持ち続け、人生を切り拓こうとする。望む未来を実現させるため彼女が世界と戦う姿には本当に感動させられました。

――本作は家父長制に対しては批判的でありつつも、冒頭に「誰かを傷つける意図はない」というテロップが出たように、男女の対立を煽ったり伝統を一方的に否定したりしない優しさも持ち合わせた作品でしたね。

 私たちは新しい考え方や概念を提示しているため、時に古いやり方・考え方に対し批判的になることがあります。ただおっしゃる通り、この映画は誰かを動揺させたり傷つけることを意図したものではありません。ですから冒頭にそのことを明確にしておきたかったのです。

――ミステリーとコメディを行き来しながら社会問題に切り込む構成からは、カーンさん主演の「きっと、うまくいく」や「PK」(2014)を思い出しました。

 言わんとしていることがよくわかります。「きっと、うまくいく」も、私が演じるランチョーが現在何をしていて、どこに消えたのかを皆で追い求めるミステリーがある物語でしたよね。私が何より「きっと、うまくいく」と「PK」、そして「花嫁はどこへ?」に共通していると感じるのは、それらの映画が非常に深くて大切なことをユーモラスな方法で伝えていることだと思います。ユーモアを交えて語れば、観客の皆さんを楽しませられるし、難しいことも受け入れやすくなります。そういう意味で本作はその2作とよく似ていますね。ユーモアと軽やかさで映画の中で何が起きているか、そして何を伝えようとしているかを理解してもらう、それはとても重要なことだと思います。

――「地上の星たち」(2007)で監督経験もあるカーンさんが気に入った脚本の監督を、14年もの間監督業から離れていたキラン・ラオさんに託した理由を教えてください。

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