パラマウント・アニメーションの強みとは? ラムジー・アン・ナイトー社長が語る経営秘話&「トランスフォーマー ONE」裏話【NY発コラム】
映画.com / 2024年10月6日 9時0分
ニューヨークで注目されている映画とは? 現地在住のライター・細木信宏が、スタッフやキャストのインタビュー、イベント取材を通じて、日本未公開作品や良質な独立系映画を紹介していきます。
今回フォーカスするのは、大ヒット映画「トランスフォーマー」シリーズの始まりの物語を3DCGで描く「トランスフォーマー ONE」(公開中)。同作を世に送り出したパラマウント・アニメーションの社長を務める日系アメリカ人、ラムジー・アン・ナイトー氏の単独インタビューが実現した。新作の制作経緯、声優のキャスティング、会社経営、そして彼女の夫である俳優・監督のアレックス・ウィンターについて語ってもらった。
まずは、ナイトー氏のバックグラウンドから話題を展開していく。
「父親は日本人で、母親がニューオーリンズ出身のアメリカ人。私はニューヨークとボルチモアで育ちました。今でも、父とはとても仲が良く、10歳のときから夏休みには日本に行っていたので、日本の文化はとても身近なものでした」
芸術家や芸術作品を愛する家庭で育ったそう。映画界に入ったきっかけについては、このように語った。
「私の父は彫刻家、母は画家――芸術的な家庭で育ったんです。実は、ずっと美術学校に通っていて、最初にボルチモア・スクール・フォー・ジ・アーツに通い、次にメリーランド・インスティテュート・カレッジ・オブ・アートを卒業しました。その後、カルフォルニア芸術大学に進んでいます。当時は、サウンド・スカルプチャー(金属棒などで制作する音の出る彫刻)やガラスに描いたキネティック・ペインティングを制作していました。そこから日本に行ってアニメに出合いました。『銀河鉄道999』や『ドラえもん』といった日本のアニメが大好きで、そこで初めてアニメーターとも出会ったんです。当時は自分がのちにアニメーションの仕事をするとは思ってもいませんでした」
ところが、運命が変わる出来事が起きた。
「カリフォルニア芸術大学のみんなが卒業し、就職先が決まっていた際に、アニメーターの友人からはTVシリーズ『ダックマン』(原題『Duckman』)というテレビ番組の制作アシスタントの仕事に応募してみないか?と言われたんです。そして私はその仕事に就いたのですが、それがアニメ界に入るきっかけ。そこからアニメーションが、より大好きになっていきました」
アニメ業界に入り、まず驚かされたことがあったらしい。
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