池松壮亮&妻夫木聡、俳優としての「本心」が語りたがっていること。【インタビュー】
映画.com / 2024年11月8日 11時0分
妻夫木「生意気って言っている僕が、一番生意気ですよね(笑)。壮亮は心持ちというんですかね、ずっと変わらずに持ってくれている。実はそこが一番大事なことだと思うんです。僕の頭の中にずっとあるのは、覚悟なんです。作品に向かう覚悟、役に挑む覚悟がなければ、観てくださる方々に伝わらない、届かない気がするんです。
壮亮と石井さんは10年前、それを『勝負』という言葉に置き換えていましたが、ベースにそれがあるからこそ、もし僕がひよったとしても『こいつらがいるんだったらいける』という気持ちにさせてもらえる。今はふたりとも、更に耕してきた畑が広がっていると思うので、僕自身も『今回はニンジンとして育ってみようかな』って遊ばせてもらえる感じにもなる。もう家族みたいなものなんですよ。親戚に会っている感覚だから、何年かぶりに会ったとしても『久しぶり!』とはならないですからね」
■いつも以上に頭がキレていた石井裕也と、それに対応してみせる池松壮亮
気負いのない口調で、だがそれとは裏腹に背筋はすっと伸びたふたりが交わす会話には淀みがない。10年前、妻夫木、石井監督らとバンクーバーを訪れた筆者は、かつて日系移民が暮らしたエリアを歩きながら、石井監督が「受ける天才」と妻夫木を評していたことを思い出した。今作でも、決して長い尺ではないが池松と対峙し、仮想空間上に任意の“人間”をつくる技術「VF(バーチャル・フィギュア)」の開発者・野崎という役を、観る者に違和感を抱かせることなく体現してみせている。
石井監督はコロナ禍でも映画製作を諦めることなく、「茜色に焼かれる」「アジアの天使」「月」「愛にイナズマ」と傑作を生みだし続けてきた。ふたりは、アップデートを繰り返す2024年の映画作家・石井裕也をどのように受け入れているのか。
妻夫木「石井さんのテンポ感が尋常ではないくらい速くなっていてビックリしました。壮亮は定期的に仕事をしているからどれくらい速くなったか分からないかもしれないけど、より明確に迷いがなく、やりたいことがはっきりしているように感じました。もちろん、スタッフとの相性の良さもあったと思いますが、ドラマよりも速いテンポで撮るんですよ。ただ、考えることを忘れないといけない部分が、芝居をしていると生じてくるんです。その暇すら与えてくれないということが、今回助けられたのかなと思います」
池松「頼もしさと誇らしさがあります。それから石井さんは今作の撮影時、いつも以上に頭がキレていた印象がありました。10年前を思い出します。『茜色に焼かれる』を経て、『月』を経て、『愛にイナズマ』を経て、決断もさらに速くなりましたね。もともと答えを急ぐところがありますが、ものすごくキレていました。このスピード感だと皆がついて来れなくなりそうだと心配しますが、はっきりとした高いビジョンを持っているので、クオリティの面で下がっていくことがないのが凄いなと思います」
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