ポール・メスカルが目撃したデンゼル・ワシントンの渇望 「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」の壮大な舞台裏を語り合う
映画.com / 2024年11月17日 18時0分
メスカル:演じる上で重要だったのは、ルシアスが中盤まで自身がマキシマスの息子だと知らないということ。なので、最初は意識的にマキシマスのように演じることは避けていました。そして、彼がマキシマスの息子であることを自覚し、受け入れる場面で「ルシアスがマキシマスになる」と台本に書かれていたんです。それはルシアスが人々を率いる英雄へと変わっていくことを意味するのだと考え、そこからはマキシマスの存在を意識するようになりました。とはいえ、本質的にルシアスはマキシマスのレガシーについてあまり認識していないはずですよね。だから頭の片隅には置きつつ、基本的には目の前の役を演じることだけに集中していました。
――前作が、ホアキン・フェニックスが演じるコモドゥスの物語でもあったように、本作はデンゼルさんが演じるマクリヌスの物語でもありますね。マクリヌスの性格や役割を見ていると、コモドゥスが自身を象徴するものとして挙げていた4つの徳(野心・策謀・勇気・献身)を思い出しました。
ワシントン:4つの徳についてはまったく覚えていませんでした。というのも演じる上では前作からの影響を受けたくなかったので、20数年前に観て以来「グラディエーター」は観ていないんです。
――マクリヌスはスマートな振る舞いをしながら、内面にただならぬ怒りを抱えている人物ですが、その過去については詳しく明かされません。そんな彼の人物像をどのように探求したのでしょうか?
ワシントン:マクリヌスは日和見主義者で、考えや行動もその状況次第で変わっていきます。私たちは彼の過去や、前作との関係性を知り得ません。わかるのは彼が置かれている状況を最大限に活かし、欲しいものを手に入れるために何でもするということ。時には彼自身の肉体を利用することも厭わない、そんな人物であるということを意識しながら、彼と同じようにその状況に合わせて演じていきました。
――ポールさんにとって、本作が初のアクション超大作かと思います。メイキング映像ではワイヤーなしで船の上から飛び降りるアクションもこなしていましたが、本作における一番の挑戦は何でしたか?
ワシントン:本当にそんなこと(船からの飛び降り)をしたの?
メスカル:本当にしましたよ(笑)。とはいえ自分で演じることが許されなかったアクションもいくつかありました。たとえば壁から落ちてテーブルを突き破ったりだとか。それでも基本的には自分でアクションを積み重ねていくことが、本作における挑戦ではありましたね。
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