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ポール・メスカルが目撃したデンゼル・ワシントンの渇望 「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」の壮大な舞台裏を語り合う

映画.com / 2024年11月17日 18時0分

 ただ私はスポーツをして育ってきましたし、荒々しいアクションシーンは大好きなんです。だからアクションシーンは根気と集中力を要しただけで、撮影が終わると同時に身体を休められるので、それほど大変とは感じませんでした。幸い怪我もありませんでしたしね。

 一番大変なのは結局いつも同じで、他の俳優たちと一緒に現場に入り、映画が完成するまでの道のりを皆で把握していくこと。同時にそれが最も興味深くやりがいのある瞬間でもあるので、今回もそのプロセスを楽しみました。

――本作の設定やストーリーは史実に加え、シェイクスピアの戯曲「タイタス・アンドロニカス」(※)を下敷きにしていますよね。これまでデンゼルさんは映画「マクベス」のほか、舞台「オセロ」や「リチャード三世」など数々のシェイクスピア作品を演じてきましたが、その経験が今回活きたのでは?

 ワシントン:実は「タイタス・アンドロニカス」を読んだことがないんですよね。ポールは読んだことがある?

 メスカル:私もないですね…。

 ワシントン:どういう部分が「グラディエーターⅡ」と共通すると感じたんですか?

――ローマ帝国を支配する兄弟や英雄的な武将などの設定や、血みどろの復讐劇という点、ところどころの展開などかなりなぞらえていたかなと。「タイタス・アンドロニカス」を参照したのはリドリー監督のアイデアらしいですが。

 ワシントン:そうなんですか!今からでも読んだ方が良いかもしれませんね(笑)。

※「タイタス・アンドロニカス」:ウィリアム・シェイクスピアが初期に書いた残酷で凄惨な復讐劇。ゴート族との戦に勝利し、ローマ帝国の英雄タイタス・アンドロニカスが凱旋する。タイタスによって息子を惨殺されたゴートの女王タモーラは、彼とローマに復讐するため新皇帝に取り入り…。

●恐れ知らずなデンゼル・ワシントンの即興的演技、そのルーツはスパイク・リー

――お二人は今回が初共演ですね。一緒に演じられていかがでしたか?

 メスカル:目の前にいると言いづらいですね(笑)。

 ワシントン:一旦席を外そうか?

 メスカル:あはは!5年前に演劇学校を卒業したばかりの私からすると、彼と共演できたことで感じたものを明確に言語化するのはとても難しいんです。かつての私に「デンゼル・ワシントンと共演することになる」と言ったらまず信じられず笑ったでしょうし、その機会を得るためならなんでもしたでしょう。

 デンゼルと共演して私がとても感銘を受けたのは、他のあらゆる俳優が素晴らしいと評価する演技にさえ彼は決して満足せず、そのキャリアで成し遂げてきたことをさらに押し広げたいという渇望が私の目から見ても感じられたことです。彼はいつも予想もしていない即興的な演技を披露してくれる。それはおそらく特別な才能と経験の混合によって生まれるものだと思います。

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