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コニー・ニールセン「ルッシラのような女性は世界中にいる」――演じることで讃える、過酷な運命に抗う女性の姿

映画.com / 2024年11月24日 8時0分

ニールセン:リドリーが俳優に求めるのは、セットに入る段階で完璧に準備が終わっていること。だからリハーサルなしでそのまま本番が始まるんです。そこで自分の台詞や動きを覚えていなければ…(クビを切るジェスチャー)。そのキャラクターは登場しないことになり、リドリーは別のシーンを撮影するためカメラを持ってどこかへ行ってしまうでしょう。

 今回感じたのは撮影のペースがすさまじく早いということ。一作目のときはセットチェンジやフィルムの交換、ライトやカメラの移動などに何時間もかかったんです。だからラッセルとホアキンと私はその隙間時間に、リドリーに寄ってたかって「こういうのはどう!?」「これは!?」って細部まで相談していました。でも今作ではそれがなかったんです。技術の進歩によりセットチェンジも短時間でできるようになり、少ない隙間時間も私たちは着替えがあるから「とにかく時間がない!」って。

 だから私は撮影の日、朝から彼のトレーラーに並ぶんです。他の俳優もそうでしたね。レンガづくりっぽい見た目をしたトレーラーだったので、私たちはそれを「レンガ」と呼んでいました。レンガには常にたくさん人がいるんですが、相談したいと言うと「じゃあ10分だけ」と時間をもらえるんです。それで10分間「私はこう思うけどどう?」「ここで彼女はこう考えてる?」と矢継ぎ早に質問して、リドリーは「イエス、ノー、ノー、ん?わからないから別の良い方で…なるほど、イエスだ」みたいな感じで素早く答えていく。そうやって事前確認で準備を終わらせて、セットに入ればあとはそのまま演じるだけでした。

●ルッシラのように過酷な現実を生きる女性は世界中にいる

――ルッシラは今作においても男性たちに生殺与奪を握られ、残酷な策略に飲み込まれていく人物です。それでも民衆やローマの未来を思い、権力に抗おうとする彼女の強さには胸を打たれました。

ニールセン:ルッシラのような女性はこの世界に大勢いますよね。あなたもきっと見たことがあるでしょう。あらゆる場所において、女性たちはまだまだ権力を手にすることが許されていないと感じているんです。でも女性たちには誰も耳を傾けてくれない辛い状況のなかでも挫けない強さがあります。そこで女性たちがすることは、何が真実で正しいのかを自分の心の中で決め、それを指針として進むこと。そして自分たちには力があると信じ抜き、権力が与えられない過酷な世界を生き抜いていくこと。ルッシラは世界中に生きるあらゆる女性と同じなのです。

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