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尾上右近&松田元太“兄弟”が明かす、伝統を受け継ぐ者の極意【「ライオン・キング ムファサ」インタビュー】

映画.com / 2024年12月16日 12時0分

 右近:それは僕もまったく同じですね。歌舞伎の世界にも伝統や様式、家柄などいろいろありますが、やっぱり骨の髄から楽しんでいる人が一番魅力的です。永遠に青春、大人の青春を死ぬまでできる仕事だと思っているので、いつまでも楽しんでいたいです。その上で欠かせないのは、仲間です。先ほど孤独だという話をしましたが、同時に「俺は俺で走っているけれど、パッと横を見るとずっとお互いに走っている」という人を見つけられる。青春の1ページをずっと重ねていっているような気持ちです。

――400年以上の歴史がある歌舞伎の世界において、伝統を受け継いでいる喜びもありますか。

 右近:その喜びは強くあります。楽しんだりコミュニケーションを取ることを大事にしながら、歌舞伎に捧げているという感覚もどこかあって。先輩たちのそういった背中を見てきましたし、これからは自分が後輩たちに背中を見せることも大事になってくるんだなと思っています。

 松田:僕も、全力で楽しんでいる姿を後輩に見せられたらうれしいです。また物理的にも「背中を見てね!」と言いたいです。背中を磨いていきます!

 右近:比喩表現じゃないんだ(笑)!

――あらゆるジャンルに果敢に飛び込んでいるお二人ですが、人生のモットーにしていることがあれば教えてください。

 右近:七転び八起きです。仕事においても毎回落ち込むんですが、「もっと良くなりたい」という執着があるので、立ち上がらざるを得ない。七転び八起きせざるを得ない……といったところです。僕は本当に諦めが悪くて。歌舞伎の初日なんて毎回とにかく緊張するし、不安だし、向いていないな、これで終わりかもしれない……と思うんです。でもずっと歌舞伎が「好きだ」という気持ちがあるので、好きでやっている以上は良くなりたい、諦めたくないという、未練がましい男なんです(笑)。

 松田:ケンケンに怖くなることがあるなんて、意外です……。本当に今日は勉強になります。僕のモットーは、「よっしゃー!」ですね。落ち込むこともありますが、当たって砕けろという精神を大事にしています。先輩など誰か相談できる方に「助けてください」「どうすればいいですか」といろいろと聞いて、あとは「よっしゃー!」と切り替えます。もちろん恐れもありますが、「とりあえず行こう。レッツゴー!」という気持ちを大切にしています。

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