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「CHANEL and Cinema TOKYO LIGHTS」ティルダ・スウィントンが語る、“つながり”の重要性とフィルムメイカーとしてのキャリア

映画.com / 2024年12月30日 16時30分

 「当時は週末公開初週に何ドル儲けようとか、そういう産業的な話にはまったく興味がありませんでした。それは素晴らしい自由でもありました。私のホームはインディペンデント映画制作の場であり、それは、通常低予算で自由度の高いものです。スタジオ映画については、スタジオというシステムでの映画制作に対する興味や好奇心から参加しています。もちろん映画ファンとしての興味もありますが、。ひとつのアイディアを何百人もの人々、それも驚くべき才能があり知的な人たちが、何年にもわたって持ち続け、その情熱を絶やさないことが可能なのか?ということに興味があります。しかし、そこは私のホームではないのです」

■フィルムメイカーとして企画段階からかかわること

 アート系インディペンデント作から、現在はハリウッドメジャーにも出演するティルダ。しかし、かかわる作品の多くは、企画段階から参加している。「俳優は脚本を与えられ、(企画成立から)時間がたった段階でセットに入ってくるという、産業的な仕事のやり方があることは知っています。しかし、私は常に、映画制作の全工程に深くかかわり、私が作ってきた映画のほとんどは、そのアイデアの発端から関わってきたものです。もちろん、誰かがすでに生まれた脚本を持って私のところに来てくれるのはとても嬉しい。でも、私がやらなくても他の誰かが演じられるとも思います。私がかかわる作品は、私たちが一緒に夢見たアイデアか、あるいは彼らが私のところに持ってきたアイデアを私が彼らをサポートしながら、実現するという形です」

 「私は映画が生まれる長い時間をとても楽しんでいます。制作前とその後の期間が大好きです。編集に立ち会うのも好きですし、映画を公開し、観客に語りかけることも大好きです。ですから、私は映画制作の全過程にかかわっているのです。私は人生でほんのわずかしか演技をしたことがないし、自分のことを俳優とは呼びません。本物の俳優から『あなたは本物の俳優じゃない』と指さされることを心配しているのかもしれません」

■俳優志望者に対するアドバイス、自身の役作り

 俳優志望者に対しては、「プレゼンス」と呼ぶ存在感がなにより重要だと説く。演技力よりもカメラの前での「リラックスした結果としてのプレゼンス、パフォーマーや人物の可能性のようなものをプレゼンスとして捉えたいと思う」と持論を述べ、ロベール・ブレッソンの「バルタザールどこへ行く」のロバの演技を見習うべきものとして挙げる。「本当にリラックスしたパフォーマーであるからこそ観客は自己投影することができます。そのためには、アーティストがリラックスしていて、何かにとらわれることなく自分がやることを選択できる状態であることが重要」と言い、是枝監督の「誰も知らない」(04)で第57回カンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を受賞、当時14歳の史上最年少で日本人として初めてこの賞を受賞した柳楽優弥を「まさに『バルタザールどこへ行く』ロバのようだった」と称える。

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