松重豊、これまで参加した撮影現場で最も幸せな気持ちになった食事は?【「劇映画 孤独のグルメ」インタビュー】
映画.com / 2025年1月8日 18時0分
(C)2025「劇映画 孤独のグルメ」製作委員会
松重豊が監督・脚本・主演を務める「劇映画 孤独のグルメ」が、1月10日から全国で封切られる。連続テレビドラマ初主演作となった「孤独のグルメ」で演じた井之頭五郎は、松重にとって当たり役といって過言ではない。映画化するうえで目の当たりにした困難がいかなるものであったか、そして映画出演本数150本を超える松重ならではの、撮影現場での食にまつわるあれこれを紐解いていく。(取材・文/大塚史貴、写真/間庭裕基)
本作は、原作・久住昌之、作画・谷口ジローによる同名漫画を実写化し、グルメドキュメンタリードラマの代名詞的存在として2012年から多くのファンに愛されてきたテレビドラマ「孤独のグルメ」シリーズの劇場版。今回の“劇映画”では、フランス・韓国・五島列島(長崎県)・東京でのロケを敢行している。
【ストーリー】
井之頭五郎は、かつての恋人・小雪の娘、千秋からある依頼を受けパリへ向かう。そこで、千秋の祖父である一郎から、「子どもの頃に飲んだスープがもう一度飲みたい。食材を集めて探して欲しい」と頼まれ、引き受けてしまう。フランス、韓国、長崎、東京……。究極のスープ探しのはずが、五郎は行く先々で様々な人や事件に遭遇。次第に大きな何かに巻き込まれていく。
昨年12月に行われた完成披露試写会で、松重はキャスティングについて「今回の映画は僕の大好きな人しかいません」と、理想的な布陣が顔を揃えたことを明かしている。内田有紀、磯村勇斗、杏、オダギリジョーら、芸達者な面々と現場を共にしたなかで、監督目線で改めて驚きを禁じ得なかったことがあるという。
「これまでは僕も俳優部のひとりとして、俳優同士の芝居の絡みで相手役に対してどう対峙するかという目線でしかなかったのですが、今回は自分の書いた脚本のセリフを俳優陣が具体的に口にするわけです。改めて、俳優の力というのはすごいなと思いました。書いたもの以上のものを出してくれ、イマジネーションがほとばしるということに尽きます。特に今回は俳優部同士で付き合っている頃から、絶大な信頼を置いていると思える方しかお呼びしませんでしたし、その方々が出してきた答えというのが想像を超えてきたというのが、やはり一番驚きましたね」
■「成功するはずがない」という前提でこられてしまった…
干支がひと回りするほど続く人気シリーズを映画化するうえで、解決しなければならない問題は幾つもあったはずだ。これには「相当の力技が必要」だと感じ、韓国のポン・ジュノに監督を依頼したが、多忙を理由にオファーを断られたというエピソードからもうかがえる。準備期間も含め、“三足の草鞋”で奔走するなかで最も困難を強いられたことを振り返ってもらった。
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