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松重豊、これまで参加した撮影現場で最も幸せな気持ちになった食事は?【「劇映画 孤独のグルメ」インタビュー】

映画.com / 2025年1月8日 18時0分

 「僕が監督をする、脚本まで書くということへの理解ですよね。今まで当たり前のようにシーズンを重ねてきたテレビ局、配給をすることになった東宝の人たちを巻き込んでいかなければならないので、それが一番大変でした。深夜ドラマからの作品ということもあり、『成功するはずがない』という前提でこられてしまったので…。

 こういうサポートをしたらどうですか? と、これまでのテレビ局や配給会社なりの成功体験をもとに、今作を成功させようと思ってくれて提案してくださるのでしょうが、逆に前例にならったようなことをやっていくと、この作品は成功できないと僕は思っていました。本づくりから撮り方、宣伝戦略に至る全てにおいて、今まで誰もやってこなかったようなことをしなければこの映画がヒットするわけがないと考えていたんです。だから、テレビ局や配給会社の皆さんに、この部分を理解していただくまでが一番大変でしたね」

■それぞれの場所で参加者みんなとの食事はかけがえのない思い出

 万難を排し、23年9月に仏パリでクランクイン。フランス、韓国、日本という3カ国での撮影となったわけだが、それだけ多くのスタッフ、キャストが今作に参加したことになる。ロケで組全体の大きなモチベーションのひとつとして挙げられるのが、食事だ。今回の現場で、関係者全員の共通体験として忘れがたい食事風景がどのようなものであったか、俄然興味が湧く。

 「共同生活と言う意味では、フランス、五島列島、韓国という3つのロケ場所それぞれで、『孤独のグルメ』らしい、皆で同じ釜の飯を食う瞬間を共有できました。パリでのクランクインは、渡航の関係で最少人数で向かったんです。ホテルも設備が整ったところではないのですが、1階に調理場があって持ち寄ったものを調理することができたんです。そこを使って、買ってきた食材で打ち上げをしたのが楽しかったなあ。

 五島は五島で、現地の皆さんが本当に協力的で助かったんです。その感謝の気持ちを込めて、皆さんと一緒にバーベキューをしたいなと思って、五島牛や野菜を持ち寄ってワイワイやりました。

 韓国での撮影ですが、僕は韓国の映画製作の現場から学ばなければいけないタイミングだと思って現地で撮ったんです。実際に韓国のスタッフは優秀でした。今回韓国の俳優で唯一、ユ・ジェミョンさんに出演していただいたのですが、ホテルの設備や日々の食事を見て『こんなに予算が厳しい環境でも、こんなに最高の仕事をするのか、日本の映画スタッフは!』と感動してくれたんです。卑屈になるわけではないですが、やはり日本の環境は韓国に追いついていないんだなと思って(笑)。それで、ユ・ジェミョンさんが『今日は僕に食事をご馳走させてほしい』と、スタッフ全員分の食事をご馳走してくれたんです。僕もお言葉に甘えていただきましたが、それぞれの場所で参加者みんなとの食事はかけがえのない思い出になりましたね」

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