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【神は細部に宿る】阿部寛主演「ショウタイムセブン」撮影現場で垣間見たスタッフ、キャストの完膚なきまでのプロ意識

映画.com / 2025年1月21日 11時0分

 撮影においてもライブ感が重視され、姿を見せない犯人役のキャストが実際に現場に足を運び、別室から生通話する形式がとられた。通常、通話シーンの撮影は事前に録音した相手のセリフを流して演じるパターンが多く、「ショウタイムセブン」ならではの仕様といえる。渡辺監督によると、緊張感を出すために犯人役だけに指示を伝えて芝居に変化をつけてもらい、阿部が即時に対応する演出を施したときもあったとのこと。こうしたその場で生まれる化学変化を追求する精神性は現場の回し方においても同様で、基本的にはカットを細かく割らずに「シーンの頭から終わりまでを一連で撮りきり、次のテイクでは別パターンの芝居・演出を試す」実験的な方法論が用いられた。

 本作は本編尺98分に対してシーン数が40弱と異常に少なく、シーンによっては 10分超の長回しも存在するため、スタッフ・キャストはかなりの集中力・体力が必要になる。演者に関してはどのカメラから撮られているかわからない緊張感も加わってくるぶん、スムーズに進行するにはある程度動きを決めるやり方がセオリーに思えるが、この現場はむしろその逆。役者の芝居やカメラワークに関しても各々に自由を与え、「それぞれの嗅覚でその瞬間に面白いと思ったものを撮る/演じる」スタイルを実践したというから驚きだ。

 そうした離れ業の成立に一役買ったのが、撮影前に実施された入念なリハーサル。渡辺監督は阿部の熱意に驚かされたという。「リハーサルで実際に動いてみて感じたことをすり合わせて、クランクイン後も『カメラを通してやってみたらこういう気分になってきた』ということを意見交換して――阿部さんとは毎日のようにやり取りさせていただきましたね。この作品にものすごく集中して思いを込めてやっていただけただけでなく、それをしっかりと僕に確認してキャッチボールしながら進めて下さるので、とても信頼できる方でした」(渡辺)

 ほぼ全編出ずっぱり状態の阿部においては、セリフ量も膨大。相当なプレッシャーを背負っていただろうが、撮影時は流れるようなセリフ回しで魅せるだけでなく、スタジオ内の段差を効果的に使った“キャスター然とした所作”を披露。長い芸歴を誇る彼にとっても初めての役どころとなるが、完全に空間を把握した見事なパフォーマンスをいかんなく発揮していた。そして、人気ドラマ「VIVANT」での共演が記憶に新しい竜星涼と「ショウタイムセブン」の新旧看板キャスターとして激情をぶつけ合う対決シーンでは、回数を重ねても鮮度を落とさず切れ味鋭い演技合戦を展開。その場にいるものをビリビリと震わせる熱演は、スクリーン越しでも観る者を圧倒することだろう。

 「ショウタイムセブン」は、2月7日より劇場公開。阿部、竜星のほか生見愛瑠、井川遥、吉田鋼太郎らが出演。Perfumeが主題歌を担当したほか、本人役で出演もしている。「呪術廻戦」で知られる作曲家・照井順政が初めて実写映画に参加した。

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