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「トワイライト・ウォリアーズ」谷垣健治流アクションの組み立て方 目指したのは「速いけれど“わかる”もの」【アジア映画コラム】

映画.com / 2025年1月24日 9時0分

――ソイ・チェン監督が2020年に発表した「リンボ」もすごい世界観でしたよね。ゴミの世界というか……“汚れた世界”です。

 本当にすごい映画でした。そうそう、あの作品もマック・コッキョンが美術を担当しています。あの汚しの感じが個人的にとても好きでね。汚しがちゃんとできているセットだと、そこで行われるアクションもちゃんと質感にあるものになると思います。

――本作は“実写化”となる作品ですが、まずは大きな方向性を決めないといけませんよね。アクション部分に関して、監督とはどのような話し合いを行いましたか?

 最初は韓国映画のような“暴力美学”の世界観のようなつもりで考えてたんですが、「もうちょっと誇張してもいい」と言われました。“誇張”と言われても、どの程度なのかはわからないので、そこはやりながら擦り合わせていくことが必要です。撮影が始まって初日と2日目が理髪店でのアクションシーンだったんですが、今思えばあのシーンの撮影を通してこの作品においてのアクションのカラーが決まった感じはありますね。ルイス・クー演じつ龍捲風(ロンギュンフォン)がタバコをキャッチするところと陳洛軍(チャン)が回転しながら壁に吹っ飛ばされるところが、現場の熱がふわっと一瞬上がったというか、全員が「これでいける」と思た瞬間だったと思います。フィクションとしてうまく嘘がつけたんじゃないかと思います。

――まさにそのような感じでした。香港の武侠要素を継承しつつ、漫画的にアレンジし、最終的に香港版「アベンジャーズ」のような感じができたということですね。各キャラクターも非常に個性的で、印象に残っていますが、役者たちと役作りなどについて、ディスカッションなどしましたか?

 もちろんです。事前に1ヶ月半ぐらいアクション練習をしました。といっても別に役者たちに武術の達人になってほしいということではなく、それぞれの特性や何が得意なのかという点をずっと見ていました。役者の魅力を発掘するには、アクション練習や衣小合わせの時が、一番重要だと思っています。たとえば、テレンス・ラウなんかは衣小合わせの際に、突然何かが変わったというか、ギラっとしたものが出てきたのがわかりました。何というのかな、信一(ソンヤッ)というキャラクターはそこで片鱗が見えてきたというか。ソイ・チェン監督は髪型を変えたり、主人公を坊主にしたり……そこで役者の魅力をいろいろ探っていました。香港映画はほとんど本読みしないので、そういう形で役者は手がかりを掴みます。そして、その手がかりを携えて、現場で試してみるんです。ソイ・チェン監督の現場ですから、ダメであればもう、答えが見つかるまでもう一回やり直せば大丈夫。この一連の作業は大変ではあるけど、うまくいけば手応えがあるので本当に楽しかったです。

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