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「トワイライト・ウォリアーズ」谷垣健治流アクションの組み立て方 目指したのは「速いけれど“わかる”もの」【アジア映画コラム】

映画.com / 2025年1月24日 9時0分

――となると、脚本を担当する方々はかなり大変だったのでは?

 かなり多くの方々が関わっています。開発段階だけに関わった方もいますし、ソイ・チェン監督が指揮をとることになってから加わった人もいます。現場にいる脚本家は、いつも我々と打ち合わせしています。常に現場にいて、その時のシチュエーションでどのようなセリフが一番良いかを考える役割ですね。

――撮影をしながら、美術も修正していったんでしょうか?

 もちろんです。最初にできたのは小学校のなかのセットですね。ただ、小学校は2階しかないです。主人公は2階から戦って、3階に行くんですが、2階で戦って、3階に行くというところでカットして、次の日は別の場所で別シーンを撮り、その間に、美術は2階を3階に装飾し直します。主人公は2階から3階に行くんですが、実際に使っているのは両方2階なんです。そして、2階を全部撮り終わったら、今度はサモ・ハンが演じる大ボスの部屋に装飾変え。その間に別のセットで撮影を進めていきました。このような撮り方で、20カ所ぐらいの“場”を用意していました。まぁ香港で撮影が決まった時点で、こうするしかないなぁと思っていました(笑)。

――アクションのデザインも撮りながら、考えていたんですね。

 はい、もちろんベースは事前にしっかり作りますが、撮影というのはナマモノですからね。毎日がギリギリまで考えて、毎日危機一髪でした。「このアクションは、ここのシーンで使おう」などとは考えずに、今あるアクションを「全部シーンに注ぎ込む」。そして、次のシーンは次のシーンで頑張るという感じで撮っていきました。アクションのネタはいっぱいあったので、使いきれなかったネタを他のシーンでも使ってみるなど、色々な組み合わせを考えていました。アクションという食材に対して塩をかけると美味しいのか、もしくは醤油、それともオイスターソース……といったイメージで、可能な限りあらゆることを試して、最も良いシーンを見つけ出していくんです。

――完成した作品は、いかがでしたか?

 とても熱血な作品になったと思います。僕らは「イップマン」のようなウェルメイドのアクションを撮ろうとは思わなかったから、そういう意味では狙い通りですね。「トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦」はある意味“ごった煮”。多種多様な人間が登場し、さまざまなアクションがぶつかり合っています。闇鍋状態です(笑)。でも、いわゆるめちゃくちゃではなく、エネルギーのある、熱量がある、つまり温度があるアクションを目指したいと思っていました。

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