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実写「【推しの子】」プロデューサー&宣伝プロデューサーが明かす収獲と課題

映画.com / 2025年1月30日 18時0分

 井元「YouTubeは劇中で描かれていたこともあり、かなり早いタイミングで登録者数10万人を設定していました。そのなかで、総再生数が9000万を超えて来ていて、1億を突破しそうなんです。実写作品で、こういう数字はなかなか出てきません。

 ただ、僕は結構暴れました(笑)。YouTubeとして、本気で番組を1本作るような規模で展開したかったので、何とか本編撮影中に撮りたいと。役が1回抜けると大変だから、というのが理由だったのですが、実現するためのスケジュール調整も大変で、宣伝チームには苦労をかけました」

 寺嶋「宣伝チームも現場からフル稼働でした(笑)。YouTube・SNSの企画立案、各事務所様への説明であったり、スケジュールをどう切るのかという作業はもちろん、メイキングとは別に自分たちで縦型動画を撮ってほしいと井元から要望がありましたので……。そういう意味でも、一緒に並走している感じでした。とにかく撮っておけば、後々どうにかなるじゃないですか。欲しい時に素材がないというのが一番困るので」

 井元「現場のメイキングカメラを普通に回して後から縦型にすればいいというのではなく、最初からスマホの縦型で撮らないと伝わらないものなんです。それで、宣伝部が一緒に現場で走ってくれているのだから、常に縦でも撮ってほしいとリクエストさせてもらいました」

 劇場公開日が、原作最終巻の発売日の翌々日という点も見逃せない。関係各所とのコミュニケーションが円滑にいかないと、どこかのタイミングで破綻しても不思議ではないほどにセンシティブだ。だが、それ以上にふたりを悩ませたのは別の問題だった。

 井元「2年前のコンペの段階から、原作と共にあるべきだと提案してきたので、脚本もチェックして欲しいとお願いいました。ただ、そういったなかで世の中では原作者と製作サイドの関係に疑問を投げかける流れが出てきました。【推しの子】もそうなんじゃないの? という目で見られてしまうのがしんどかったです。赤坂先生や横槍先生からいただいたコメントにもありましたが、信頼関係のもとにプロジェクトを進められていただけに、心がギュッとなった瞬間は確かにありました」

 寺嶋「課題は、それをどう世の中に伝えるかということでした。ちゃんと向き合っている人がいるのに、言葉を間違えてしまうと頑張っている人が報われない。むしろ批判されてしまう世の中です。一方で、誠実にやっているって、大袈裟に言うことでもないと思うんです。当然のことですから。だから、【推しの子】の実写にトライしていることも含めて、いかにフィルターがかからずにお客様に届けられるか。今作は製作委員会方式ではなく、東映が原作の先生方や版元の集英社さんにも誠実に向き合ったうえで、いかに面白がってもらえるかを考え、心がけていました」

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