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阿部寛の見方が変わった、キャスターたちの闘いとは?【「ショウタイムセブン」インタビュー】

映画.com / 2025年2月11日 11時0分

――撮影現場にお伺いした際、阿部さんのキャスター然とした動きが絶妙でした。段差の使い方等々、これまでに観てきたニュース番組がオーバーラップするほど完成されていて。

 僕の頭の中にも過去にテレビで観てきたキャスターの方々のイメージがあり、そのイメージが残っていました。キャスターの方々は全ての動きが滑らかかつスマートで、その中で自分の個性をどう出すか――非常に難しい塩梅で表現をされていると感じます。撮影にあたりアナウンサーの方をご紹介いただきお話を伺ったのですが、「ニュースを視聴者にきっちり伝えないといけないお仕事の中で、もし自分の感情を出すとしたらどういう部分ですか?」とお聞きしたら、ペンの置き方や原稿の持ち方といった本当に小さな部分に個性を持っていらっしゃる方が多い、と答えていただいて感情的なパフォーマンスも計算して盛り込んでいることがわかりました。僕はそのお話を聞くまで、「キャスターとは感情を出してはいけないお仕事」という認識でいたのですが、実際は感情を出す部分を極限まで絞っているのだと気づかされ面白かったです。折本を演じるうえでも参考にさせていただきました。

――出演にあたり、阿部さんは読み合わせからリハーサルに至るまで、密に関わられたと伺いました。セリフ量も相当多いですが、ご苦労されたのではないでしょうか。

 原作とはかなり終着点が違う台本だったので、お書きになった監督に確認するのが一番だと思い、常に監督に相談させていただきました。セリフは確かに量は多いのですが、キャスターの方々が使われる言葉は綺麗なものが多いため、意外とすんなり覚えられて自分でも驚きました。文章の組み立て方や流れはもちろん、“音”としてもとても滑らかで違和感がなく、スッと覚えられました。

――近年ですと阿部さんは「ヘンリー八世」に出演されていましたが、「セリフ量が膨大」という観点で通じる舞台とはまた違ったものでしたか?

 そうですね、全く違っていました。「ヘンリー八世」のセリフはシェイクスピアなので比喩とか抽象的な表現も多いため、覚えるのは慣れるまでなかなか大変でした。

 「ショウタイムセブン」でいうと、一番大変だったのは「どうやって撮るのか?」の部分でしょうか。渡辺監督がなるべく長回しでいきたいとおっしゃっていたこともあり、どんなカメラワークで緊迫感を出していくのかがなかなか想像つきませんでした。

――スタジオを舞台にした本作は、通常のカメラにプラスして「番組スタッフが撮影するカメラ」も登場するため、台数も多いですしね。

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