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阿部寛の見方が変わった、キャスターたちの闘いとは?【「ショウタイムセブン」インタビュー】

映画.com / 2025年2月11日 11時0分

 そうなんです。前半戦のラジオ番組のシーンなどは通常通りの1台で撮影していましたが、スタジオのシーンになるとスタジオ用のカメラが何台も用意されており、しかも小道具的に使うのではなく実際に撮影も行うため、どこのカメラを意識すればいいのかは苦労しました。見ていいカメラと見てはいけないカメラがあるので、カメラマンさんを信じて自分はあまり制限なしに動こうとは思っていましたが、「どこから抜かれているかわからない」環境に慣れるのは大変でした。キャスターのように「カメラを見てしゃべる」ことも俳優はあまりないため、新鮮でした。

――となると、完成した本編をご覧になったときは「こうなるのか」と驚かれたのではないでしょうか。

 監督が頭の中でどう繋ごうかと計算されていたのかは予想がつかなかったため、「こういう風にやっていくのか、この映像を使うのか、こんなところからも撮っていたのか」と驚きの連続でした。そういった意味では、副調整室のシーン含め、完成版を観て初めて知る部分もありました。作品の展開に関しては、自分は既に台本を読んでしまっている身なので、お客さんが劇場でどれくらいヒリヒリした緊迫感を感じていただけるか、反応を楽しみにしています。スピーカーの位置などによっても臨場感も変わるでしょうし、僕自身も映画館で体感したいと思っています。

――リハーサルにおいては、どのような形式で行われたのでしょう。

 前半戦を2日に分けて行い、大体の動きを掴んだうえで実際のセットに入って後半戦のリハーサルを行いました。事前に現場で立ち位置や動きをすり合わせられたため、スムーズに本番に臨めました。ただスタジオパートに関しては座っているシーンも多いため、動きがないぶんどう表現していくかは悩みました。犯人役の方が毎日現場に来て下さって別室から声のお芝居の掛け合いを行ってくださいました。セリフや感情の中でいかに表現できるかが勝負だと思っていました。

――渡辺監督は相手役の方のみに演出を付けて、その芝居に対する阿部さんのリアクションの変化を取り入れていったと仰っていました。

 いきなりドン!と変わるのではなく、シーンの中でテンポ感やボルテージがお互いに上がっていったところはありました。慣れるというわけではなく、こっちが変われば向こうも変わるといったように「わかる/感じ取る」ようになっていきました。顔を合わせない掛け合いに関しても、相手の芝居を録音したものにするのではなくライブでやりたい、というのは監督がこだわられていた部分です。どうしても録音形式だと時差が出てきてしまいますが、今回は一切ないぶんとても有り難かったです。こういった工夫が、リアルタイム感に一役買っていると思います。

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