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日本企業のLGBT当事者をとりまく就業環境の実態は!?

Entame Plex / 2020年10月19日 10時0分



LGBT当事者の方対象に、職場の同僚や上司に、自身がLGBT当事者であることをカミングアウトしているか質問したところ、「カミングアウトしている」人は17.6%と、5人に1人以下という結果にとどまりました。あえてカミングアウトする必要はない、という考えはもちろん、会社や個人の理解が十分ではなく、カミングアウトしにくいといった状況も考えられそうです。

続いて、ビジネスパーソンに対し、“アウティング”という言葉について調査しました。アウティングとは、人のセクシュアリティを当事者の同意を得ないまま第三者に言いふらす行為を指します。まず、“アウティング”について何か知っていたかと質問すると、LGBT非当事者の方のうち、「言葉も意味も知らなかった(74.6%)」に対し「言葉も意味も知っていた(12.8%)」と、非常に認知率が低いことが判明しました。一方でLGBT当事者の方は約4割の方が「言葉も意味も知っていた」と回答しています。

実際LGBTについてカミングアウトされた場合、どのように行動すると思うか(行動したか)聞きました。結果、LGBT当事者、LGBT非当事者に差異や、アウティングの言葉や意味の理解度にも関係なく、「当事者の秘密を守る(守った)」人が最も多い回答となりました。しかし、「秘密を守りたい気持ちはあるが、第三者に伝えたくなる(伝えたくなった)」「第三者に伝えてしまう(かもしれない)(伝えてしまった)」という人も割合的には多くないものの、一定数いることも分かりました。それぞれの個人の立場で考え、行動していけるよう、やはりLGBTへの理解を深める必要があると考えられます。

最後に、お金に関して問題や悩みがあるか質問しました。この結果については、LGBT当事者・LGBT非当事者の方に大きな差異はなく、共通して約半数の人が「老後が心配」と回答しました。その他、「収入が低い」「貯金がない」という回答が続き、現状のお金の無さから将来を不安視する意見が多いことが分かりました。

一方で、お金に関して問題や悩みは「特にない」との回答は、LGBT当事者の方が少なく、将来を不安視する人が多い傾向にあるようです。「老後が心配」、「遺産相続」に関する悩みも若干ではありますが、LGBT当事者の方がLGBT非当事者と比べると多い傾向にあります。
現在、企業によるLGBT支援制度だけではなく、自治体による同性パートナーシップ制度の取り組みも徐々に増えてきてはいますが、法的整備がされているわけではありません。そういった先の見えない状況が、老後を含めた将来的な不安に繋がっているのかもしれません。

LGBTを含むビジネスパーソン男女を対象に調査し、約半数の人が勤める企業ではLGBTに対する協力的な制度や取り組みが行われていないことや、LGBT当事者が抱えている職場における問題や悩み、カミングアウトとアウティングの実態等、LGBTへの理解が十分にされていないことが明らかになりました。

その一方で、LGBTについて理解を深めたいと思っている人が多くいること、またLGBT当事者の方が会社に望むことは、何より多様性に対する「理解」や「意識」というキーワードが大きいことがわかりました。これは会社に対してだけではなく、社会に対して望む声としても挙がっていましたが、こうした「理解」の促進や「意識」の醸成には、何をおいてもまずは「知ること」が大切なのかもしれません。

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