「これが勝負作だと思った」新鋭女優:土屋太鳳インタビュー
Entame Plex / 2014年8月31日 15時3分
「これが勝負作だと思った」新鋭女優:土屋太鳳インタビュー
原作小説は累計20万部突破、コミカライズ版初版10万部発行、そしてゲーム化進行中とメディアミックスで話題に事欠かない「人狼ゲーム」の映画版、『人狼ゲーム ビーストサイド』が完成した。人狼側の視点で描く本作で、猟奇的なヒロイン・樺山由佳を熱演したのが、いま最旬の若手女優・土屋太鳳。平成27年度のNHK連続テレビ小説「まれ」のヒロインにも決定した土屋が、「これが勝負作だと思った」と身を削って挑戦した渾身作について語ってくれた。
――今回は、とてもハードな作風&役柄ですね。しかも、悪女を演じるのは初めてだそうで、すごく大変そうです。
「(樺山由佳役は)本当に手がかりが少なかった役柄だったので、難しかったです。今までは時代背景を調べて、作品のテーマを考えたりいろいろと準備をしていましたが、今回は自分の心の物差しを全部取り除いていかないと近寄れないキャラクターでした。今回の役柄で演じている人間の心のバランスが崩れていく表現は、表面的なことでは追いつかない気がして。演技でもその時その時は現実なので、いかにお互いを本当に追いつめていくかが課題でした。だから、役作りはなかったと思います」
――トラウマと闇がある女の子の役で、また新しい土屋さんの表情を見た気がしました。
「撮影中は……苦しかったです(笑)。以前、作品ごとに印象が全然違うと言っていただいたことがあって、それは素直にうれしいことですが、そのときはみんな私だと気がついてくれなかったみたいで。例えば、『リミット』というドラマでは三つ編みをしてメガネをかけていたので、終盤の方になって私だって気がついた方もいて(笑)。でも、このお仕事はそう言われないといけないと思っているので、繊細な演技ができる女優さんになりたいですね」
――今作は、サバイバル要素のホラー映画ですが、テーマはただ怖いだけじゃないんですよね。
「そうですね。今回の作品はサバイバルだけではなく、人が人でなくなることを描いている作品だと理解することで、それまで腑に落ちなかった要素がわかった気がして、少しだけ楽に撮影できました。そして、こういうことが現実に起きてはいけない、それを伝えられるように頑張ろうとも思いましたね。熊坂出監督は『剥き出せ! 曝け出せ!』とおっしゃって演技の土台を作ってくださいましたが、私も自分の魂を削って苦しまないと伝わらないと思ったので、ギリギリの精神状態に追い込み、撮影をしていましたね」
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