観覧者が参加し考える新感覚舞台、渡部樹也が体現する新たな舞台の形とは
Entame Plex / 2015年6月24日 19時3分
観覧者が参加し考える新感覚舞台、渡部樹也が体現する新たな舞台の形とは
「そもそも僕は表に出るのが恥ずかしい質なんですよ」
6月25日より上演される舞台「ルキアの使い手」で、脚本、演出、そして主演という三役を担う渡部樹也。主演でありながらこの発言、その真意はどこにあるかと言えば
「カメラ恐怖症みたいなところがあって……。ただ、何かフィルターを通して自分を表現するということには抵抗がないんです」
とのこと。つまり、彼は演じることとは別の形で、自らの表現を模索する探求者なのだ。
渡部樹也、彼は俳優:渡部篤郎とRIKACOの間に生まれ、昨年19歳という若さで「リリィの語り部」という舞台で初脚本、初演出を手掛けた、まさに新鋭。そんな彼の新作「ルキアの使い手」。そこでは前述の通り、脚本、演出、主演と三役をこなし、さらには既存の舞台とは異なる“観覧者参加型”という新たなステージを目論んでいる。果たして、どんな舞台となるのか。今回は「ルキアの使い手」のこと、さらには彼のアイデンティティを探るべく、渡部樹也の目指すところを聞いてみた。
――今回は脚本、演出、主演の3つ担っていますが、本来は演出、脚本が主なんですよね。
「以前から作家方面で何かやっていきたいという思いは強く持っていたんです。一時は、専門の学校に進学することも考えたんですが、先に実績を積んだ方が人に信頼してもらえるのかなと思って。まずは、演出家の伊藤和重さんに助手として携わらせていただいて」
――それがスタートだったんですね。
「しばらくして、19歳のときに「リリィの語り部」という舞台、僕の旗揚げ公演をやらせていただいたんです。ただ、そこでもやはりいろいろと問題は多くて。でも、僕にはどうしても体現したい理想がある。それを表現するにはどうしたらいいのか考えたときに、まずは自分でも役者を経験してみようと思ったんです。今回の舞台は、そこで感じた疑問というか、言うなれば演者とお客さんとの距離の違和感、そこに対してのカウンターカルチャーなんですよね」
――今回は主演も自身でやられるわけですよね。
「当初、主演も募ろうと思ってたんです。ただ、僕の中で“ものづくりにおいて人数を増やせば増やすだけ、それは純粋なものではなくなる”という確固たる考えがあって。少人数でやった方が純度の高い作品はできると思うんです。そこで今回は役者は極力少なく、それも自分がよく知っている人、前回の舞台を見て面白いと思ってくれた方だけに声をかけて。あとは主演だけってなったんですけど、それがなかなか決まらない。どうしようってなったときに、僕が脚本を書き演出もする。そして少なからず役者経験もある……僕がやるしかないなと」
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