真鍋大度2/3--Perfume以前の舞台芸術の経験【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2013年10月30日 21時0分

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真鍋大度氏

「Perfume Global Site」プロジェクトは、Perfumeの3人、大本彩乃(のっち)、樫野有香(かしゆか)、西脇綾香(あ~ちゃん)の3Dデータをオープンソースとして公開し、世界中から、誰でもそれを使ったクリエーションをサイト上で発表することのできるシステムだ。

「私が提案した企画で日本のクリエーターのレベルの高さやファン層の可視化を狙ったものです。たくさんの作品が集まりましたが、クリエーター志望の若い人や、既にプロとして活動している人が、お題(3Dデータと楽曲)を与えられ、クリエーションを発表する。モーションキャプチャーを自分でいじってみて、その後で実際にPerfumeのライブに足を運び、結果的にはリアルが一番最高!というカタルシスを感じてもらう。通常は本人達が踊っている姿が発表されて、そこから二次創作が生まれるという形ですが、このプロジェクトでは最初にデータを公開し、二次創作が行われて、最後に本人達が踊る姿を見せるという逆のプロセスです。逆説的に本人達の魅力を伝えるのも狙いの一つですね」

確かに膨大な数の作品の中には、マカロンやプリンなどのスウィーツ怪獣たちが踊り出すもの、3人の力士の軽快なダンスがだんだんシコに見えてくるもの、ガチャピン・ムック・松岡修造という謎の組み合わせの3人が黙々と踊るものなど、悪趣味スレスレの代物も含めて、かなりのバリエーションがあった。

まずは箱や器としての生身の身体があり、ダンスや音楽、衣装という要素が付加価値を与えるのは、元来「幻想装置」であった古典的なアイドルと同じだが、Perfumeが他のアイドルと違うのは、アーティストがそこから何をインスパイアされるか、なのだろう。

「まず素材の良さありきというか。ダンスの振り付けや音楽は特に重要で、たとえガチャピンが踊っていてもPerfumeのダンスだと分かるような振り付けであることが大事なのだと思います」

真鍋は、過去にダムタイプの主要メンバーである藤本隆行の代表作「true/本当のこと」や、同じくダムタイプの高谷史朗や川口隆夫の作品など、コンテンポラリーダンスやパフォーマンスなどの舞台芸術にインディペンデントのプログラマーとしてかかわってきた実績がある。


「true/本当のこと」は、白井剛、川口隆夫といったダンサーの鍛え抜かれた「身体」と、「光」「音」「映像」などの装置を、身体に取り付けられた筋電センサーにより連環する、現代の「総合芸術」を目指したシリーズ。その初期段階で参加した真鍋の役割は、音響・振動・照明が緻密に同期するためのシステムデザインとそのプログラミング、楽曲制作だった。

「メディアアートの装置空間(インスタレーション)に、ダンサーも1素材として組み込まれる実験的作品であった」と評価しているが、実際のところ、ダンスパフォーマンスの公演ではどうしてもダンサーの生身の身体に、観客の視線は奪われる。その状況で、微細な連動の「妙」がどこまで伝わるのか、リスクを承知で複雑なシステムにチャレンジした、プログレッシブな意欲作だったと言わねばならないだろう。

「trueでは一通り出来たという感触がありました。当時は僕1人で楽曲制作からシステム開発まですべてを担当していました。(ライゾマティクスメンバーの)斎藤、堀井、石橋も参加して色々とチャレンジしました。(自身のクリエーションとの)親和性のある分野だと思います。その頃、違ったフィールドでのコラボにも興味を持つ様になったんです」

確かに、コンテンポラリーダンスの世界では、振り付けの振り幅はあまりにも自由で、ダンサーの動きは常に身体表現の限界を目指し、多様性に富んでいる。

「取得出来るデータでやることが変わって行くことが多いのですが、藤本さんや川口さん、白井君とtrueでやっていた時は両腕の筋電データを使っていました。データ量は少ないですが、音に変換するには扱いやすいデータですね。こちらがプログラムを変えればダンサーの動きも変わっていくというところが面白いところです。プログラム、アルゴリズムが人の動きを作って行く。Perfumeの場合はモーションキャプチャデータにしても3D Scanデータにしても、それを取得している時点でコンテンツが魅力的なのは決定していると言っても過言ではないと思いますが、それだけに使い方が問われますね。問題意識を持って臨む様にしています」

3/3に続く。

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