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空山基やヨシロットンら総勢21名をセレクト! NANZUKAのキュレーションによるグループ展がパルコミュージアムで開催

FASHION HEADLINE / 2020年6月22日 19時30分

本展、Global Pop Underground は、上記の文脈を踏襲し、アートのアカデミズムにおける上位と下位という固定観念へのアンチテーゼとして、グローバル規模で同時多発的に起こっている異端(アウトサイダー)の文脈の爆発を、相互作用的に混在させたに企画展です。本展には、性や暴力を纏った表現も多数含まれます。これは、反権威、脱単一的管理、反画一的正義といったステートメントを暗に秘めるために、アーティストたちが意図的に込めたものです。例えば、田名網敬一が自身の戦争体験をソースに描き上げている曼荼羅的絵画作品、山口はるみが 70 年代に女性の性革命運動と共に描き起こしたセクシャルで攻撃的な女性の肖像画、佐伯俊男が 70 年代に性的タブーを描いたドローイング作品、人間の生存本能的欲望をロボットをフィルターに描き続けている空山基など、日本の前衛芸術の黎明期に創作され、その激しさが故に“ ファインアート的” に脚光を浴びてこなかったアーティストたちです。こうした経歴を持つアーティストの存在は、日本人だけに留まりません。今年 86 歳を迎えるアメリカ人アーティスト、Peter Saul( ピーター・ソール ) は、1950 年後半には誰よりも先駆けて漫画のキャラクターを引用した POP ART 的手法の作品を制作していたにも関わらず、その強烈な風刺的スタイルが故に、長らくアートにおける権威から遠ざけられ、正当な評価を受けてきませんでした。あるいは、アメリカ生まれのキャラクターをドリップを滴ためた独特の画風で描き続け、惜しくも昨年他界したアメリカ人女性アーティスト、Joyce Pensato(ジョイス・ペンサート)も、主流な主義や潮流といったアート界における成功の波に乗らなかったため、その晩年まで脚光を浴びることはありませんでした。

本展は、道を切り開いてきた伝説的アーティストに加えて、より若い世代のアーティストも含みます。日本の漫画の影響を受けながらシュールレアリズム的方法論で巨大な目のポートレートを描くスペイン人アーティストJavier Calleja、独学で習得した技巧を武器にUSEDのスケートボードを素材に木工作品を作るHaroshi、グラフィックデザイン出身の佃弘樹、グラフィティ出身の日本人アーティスト森雅人、現代社会を管理する既得権益への仮想敵としてのPUNKsをテーマにコンセプチュルな作品を数多く生み出しているイギリス人アーティストOliver Payne、90年代のNYグラフィティーシーンを代表するアーティストTodd James (Reas)など、イラストレーション、デザイン、漫画、ストリートアート、アンダーグラウンドカルチャーと様々なバックグラウンドを持つアーティストたちの作品を平行して展示する事で、現在進行形のアートの多様性を体系的に説明するものです。現代における文化言語としてのUndergroundは、もはやSex、Punk、Cyber、Science Fiction、Psychedelic、Street、Manga / Otakuといった、High(高尚)に対するLow(低俗)と看做されるあらゆるカウンター領域を巻き込んで、グローバルな規模で見直されつつあるという予兆があります。そして、このムーブメントは、排他主義的な傾向を強める現在の先進国の社会状況へのカウンターとして現れた現象とも受け止めることができるのです。

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