フェンディがアイコニックな「バゲット」バッグを通して称えるイタリアのクラフツマンシップ
FASHION HEADLINE / 2020年10月22日 14時0分
フェンディ 2020-21年 秋冬ウイメンズコレクションのランウエイLook No.13として登場した「ハンド・イン・ハンド」のパートナーシップが、私たちをトスカーナにいざないます。フィレンツェ(Florence, Firenze)のアトリエ、ペローニ(Peroni)は、この地で典型的な植物性なめし革で作られた小さなレザー製品を作り続けてきました。1956年以来、「クオイオ・アルティスティコ・フィオレンティー(cuoio artistico fiorentino)」と名付けられたフィレンツェの歴史的、かつ芸術的な手法です。第3代となるファミリービジネスは、タイムレスな「タッコ(tacco)」コイン入れのような、しっかりした構造を形作ることに特化してきました。1枚のレザーをカットして成型することで――裏地やステッチのまったくない――光沢のある斜めのフレームのバゲットができ上がりました。ダークチョコレートブラウンに仕上げられたこのバゲット作品では、特徴的なFFバックルもレザーで覆われて、シームレスなモノクローム効果を生み出し、ペローニの手作りのレザークラフトの特異な性質を明確に表出させています。それは長い手作り工程を必要とし、まずレザーを濡らしてから木製の型にのせて希望する形にしていくのです。ペローニの職人は、いわば、レザー彫刻家とも言えるでしょう。
「ハンド・イン・ハンド」のパートナーシップの旅は、次に西方のサルデーニャ(Sardinia, Sardegna)島に向かいます。ここで焦点はレザーから繊維工芸に移ります。丘の頂上にあるウラッサイ(Ulassai)の村は、スマルムーリ(Su Marmuri)女性協同組合が現地の伝統を守るために、1971年以来、手織りのタペストリー製作に傾注してきました。手動の織機を使って職人たちが天然繊維の糸を織り、複雑なドット形状のレリーフ(浮き彫り)を織り上げます。この手織り技術は、地元サルデーニャの方言では「ブドウ」を意味する、愛情のこもった名前のピビオーネス(pibiones)です。フェンディのためにスマルムーリの織り手の皆さんが、バゲットのボディ用にと、ブラック・アンド・ホワイトの斜めストライプモチーフを作成しました。内側にはFFロゴパターンが織り込まれています。このソフトなバゲットは、ピビオーネス織りの表と裏、両面の美しさを見てもらえるようにと、裏地なしで仕上げられて、両サイドには長いムートンファーが飾られています。
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