「LOUIS VUITTON &」開催。創業160余年を誇るルイ・ヴィトンのクリエイティブな交流やアーティスティックなコラボレーションを振り返る
FASHION HEADLINE / 2021年3月25日 16時0分
ルイ・ヴィトン:受け継がれる真髄(こころ)
生まれ故郷のジュラを離れて2年後の1837年、16歳のルイ・ヴィトンはパリに到着しました。彼は、ある著名なレイティエ・アンバルール(荷造り用木箱製造兼荷造り職人)のもとで職人見習いからスタートし、17年間かけて腕を磨きました。彼のトランク製造職人としての名声は高まり、やがてアトリエを開くことに。自らの名を冠した伝説的なメゾンを創業し、トランク製造業界に革命をもたらす機が熟したのです。1854年、彼はまたも1人で新たな冒険の旅をはじめ、初の店舗をパリのヌーヴ・デ・カプシーヌ通り4番地に構えました。そうした若き日のルイ・ヴィトンのエスプリを捉えるべく、今回作品に挑んだのは、現代の肖像画家として名声を博している厳培明(ヤン・ペイミン)とアレックス・カッツ、そしてデジタルアーティストのレフィック・アナドル。その後、創業者ルイ・ヴィトンがオートクチュールの改革者であるシャルル・フレデリック・ウォルトとの間に協力関係を築いたことに倣い、数世代にもわたりルイ・ヴィトン家はあらゆる分野のアーティストとクリエイティブな対話を繰り広げ、彼らのニーズに合わせてカスタマイズしたトランクを製作することになります。1924年、アートディーラーのルネ・ジャンペルは、大西洋横断の船旅の間に繊細な芸術作品を保護するために特別な工夫が凝らされたルイ・ヴィトン トランクを注文。この伝統は引き継がれ、近年では2018年にメゾンはアムステルダム国立美術館の依頼により、1つの作品──フェルメールの伝説的絵画「牛乳を注ぐ女」──のためのオーダーメイドトランクを製作しました。アムステルダムから東京まで、この傑作を無事に運送することが目的でした。
アーティスティック・コラボレーション:伝統の創造
1921年、当時は皇太子であった昭和天皇のパリ訪問を記念して、ルイ・ヴィトンのシャンゼリゼ店のファサードは「日出ずる国」をイメージしたデザインに一新されました。この部屋では、再現されたガストン-ルイ・ヴィトンによる著名なウィンドウ・ディスプレイが来場者をお迎えします。そして一歩足を踏み入れると、Kenta Cobayashiが捉えた斬新な写真が展示されたサイケデリックな空間が広がり、創業者ルイ・ヴィトンの名を冠するメゾンと、そのアーティスティック・コラボレーションの起源に出逢うことができます。ルイ・ヴィトンは、豊かな発想に裏打ちされたそのスタイルとイノベーションの文化を通じて、卓越したデザインの頂点を目指す終わりなき旅を160年以上にわたり誇らかに続けているのです。
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