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奨学金延滞の実態、数字よりも自分の将来への影響を重視して!奨学金の適正額、いくら借りればいい?

ファイナンシャルフィールド / 2018年9月8日 10時0分

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進学したい子、進学させてあげたい親、両者にとって、奨学金は非常に助かる制度です。   しかし、奨学金もローンの一つ。借りたものは返すのが大原則です。最近、奨学金を返せない、いわゆる「延滞」が社会問題になっています。   学生の間は借りるだけで、返済(返還)がスタートしないので、どうしても「借りている」という意識が希薄になりがち。借りたお金を返すのは本人だということを、保護者も本人も改めて認識する必要があります。 必要な分は借りるけれど、必要以上に借りすぎないことが重要です。  

延滞の実態、数字よりも自分の将来への影響を重視して

日本学生支援機構(JASSO)によると、3カ月以上延滞者は約16万人で、延滞率は4.2%です(平成28年11月末)。諸外国と比較すると、さほど多くないように感じるかもしれませんが、そもそも奨学金は将来にわたる日本の教育費の原資です。
このままでは今のようには奨学金が借りられない時代がくるかもしれません。一番怖いのは、前回「奨学金はあくまでもローン、きちんと返済しないと大変なことに!」でお伝えしたように、子本人の信用情報に傷がつくこと。延滞する意識はなくても、将来にわたり不利益を被ってしまうのです。
 

奨学金の適正額、いくら借りればいい?

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、第一種、第二種合わせて、月18.4万円まで借りられる可能性があります(私立・自宅外通学のケース)。これを20年間で返済すると、月3.9万円(金利1%の場合)、大卒初任給の平均手取額が約16万円ですので、およそ4分の1を返済にまわさねばならない計算です。新入社員にとって、これは大きな負担になります。
ローン返済の基本である「返せる金額」を借りることが大事です。
まずは必要な金額を計算してみましょう。
(1)毎月必要な金額(学費・生活費合わせて) ※学費は月額に直しておく
(2)毎月家計や貯蓄から出せる額(保護者負担分)
とすると、(3)奨学金借入額は(1)-(2)になります。これ以上に借りる必要はありません。
そして(3)が返済可能額であることが大事です。
卒業後の手取り月収から生活費を除いた範囲内に(3)が収まれば、無理なく返済が可能なプランといえるでしょう。「毎月2-3万円の返済くらい、なんとかなるだろう」というざっくりとした大人目線で借入額を決めてはいけません。
 

絶対してはいけない、親が奨学金を使う!?

相談を受けていて、たまに遭遇するのが、親が奨学金を使ってしまうケース。これは絶対にしてはいけません。奨学金の使用目的に反するだけでなく、将来の返済負担が非常に大きくなります。
「親がこれ以上借りられないから、子に借金をさせる」のはもってのほかとして、「学業に専念するため、なるべくアルバイトをしなくて済むように」との親心で、借入額を増やすのも、実は危険なことなのです。
 

借りる意識と借りすぎない工夫

まずは子本人と話し合いましょう。本人が「借りる意識と返す意識」は非常に大事です。ただし多忙な受験生をつかまえて、現実的なお金の話をすると、お互い暗くなり、夢をあきらめてしまうかもしれません。
そんなときは、奨学金の申請書類を一緒に記入してみましょう。
平成28年度 JASSO「奨学金の返還者に関する属性調査結果」によると、「奨学金の申請書類を誰が作成したか」について、無延滞者は52%が「本人が作成した」のに対して、延滞者の場合は「本人が作成」は33%にとどまり、39%が「親が作成」しています。
申請書作成時に本人が関わっていると、「返す」という意識が少なからず芽生えるのでしょう。
Text:黒澤佳子(くろさわよしこ)
CFP(R)認定者、中小企業診断士

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