会社の「人間ドック」だけでは不十分? 個人で検診を受けるなら費用の目安は?
ファイナンシャルフィールド / 2023年10月31日 8時0分
福利厚生の一環(いっかん)として、一定の年齢に達した従業員が人間ドックを受けられるという会社もあるでしょう。 しかし、人間ドックだけでは内容が不十分ではないのか、ほかにも個人で検診を受けるべきか考える人もいるのではないでしょうか。そもそも人間ドックとは何なのか理解していない人もいるかもしれません。 早いうちに病気を発見できれば、完治に向けた適切な治療を受けて元気に働き続けられます。そこで、健康診断だけでなく、人間ドックの基本的な検査やオプションの検査を受けてみることが大切です。 本記事では、人間ドックについて解説します。健康診断との違いや追加が可能なオプション検査などをまとめているので、ぜひ参考にしてください。
人間ドックとは?
人間ドックとは、自覚症状のない病気、将来的に引き起こすリスクが高い病気、臓器の異常などの把握を目的とした総合的な検査です。一般的に40歳を超えると病気のリスクが高いとされています。そのため、1年に1回、人間ドックを受けるのが、将来的な病気の早期発見にもつながりやすいでしょう。
人間ドックと健康診断との違い
人間ドックは健康診断の一部ですが、明らかに違うのは検査項目の多さです。人間ドックでの検査項目は50〜100項目にもおよびます。
●上部消化管内視鏡
●上部消化管X線
●腹部超音波検査
●呼吸機能検査
●眼底検査
●胸部・腹部CT検査
●腫瘍マーカー
●マンモグラフィ
人間ドックの費用は受診施設によって異なりますが、3〜5万円程度が費用相場です。福利厚生として全額負担してくれる会社も多く、その場合は個人での負担はありません。
それに対し、健康診断は、労働安全衛生法に基づき1年に1度受診する義務があります。検査項目は10〜15程度で一般健康診断や定期健診ともいわれています。
検査内容は、身体計測や血液検査、胸部X線、尿検査といった基本的なもので、所要時間は1時間程度です。健康診断にかかる費用は1〜1万5000円程度で人間ドックと同様に受診施設によって費用が異なり、原則として会社が負担します。
人間ドックの基本項目以外にオプション検査を追加できる
人間ドックの基本的な検査項目以外にも、オプションで検査を追加することが可能です。年齢や性別、生活習慣、家族の病歴などから、発症リスクの高い病気のリスクを補完(ほかん)できる検査を選んでみましょう。
オプション検査の一例と費用の相場は以下のとおりです。
●頭部MRI・MRA検査:2万2000円
●膵臓MRI検:2万円
●内臓脂肪CT:3600~1万3200円
●頸動脈エコー:3600円
●大腸内視鏡検査:1万5278円
●乳がん検診:6000~7000円
●子宮がん検診:5800円
●甲状腺ホルモン検査:3300~6600円
●動脈硬化検査:2200円
●ピロリ菌検査:1100~3万円
死亡率が高い病気は悪性新生物と心疾患
家族にこれといった病歴がない、生活習慣から発生する病気が分からない場合は、死亡率の高い病気にそなえられる検査を受けておくと安心です。厚生労働省の調査では、死亡理由1位が悪性新生物(がん)、2位が心疾患という結果になっています。がんが気になるなら追加のオプション検査、心疾患のリスクを回避したいなら心臓ドッグの受診を検討してみてください。
人間ドック以外に個人で検診を受ければ病気の早期発見のためにも安心
福利厚生の一環として人間ドックを受けさせてくれる企業も多くあるでしょう。健康診断の基本検査項目以外にもさまざまな検査を受けることが可能で、自覚症状のない病気や将来的に引き起こすリスクが高い病気の早期発見、臓器の異常などの把握が可能です。
また、人間ドックではオプションの検査も受けられます。年齢や性別だけでなく、現在の生活習慣や家族の病歴などから気になる検査を受けてみてもよいかもしれません。特に死亡率の高いとされる悪性新生物、心疾患などの検査を受けておくと安心です。
出典
公益社団法人 日本人間ドック協会
厚生労働省 労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう
厚生労働省 令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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