お子さんがアルバイトで103万円以上稼いでしまったら?働く学生にはありがたい「勤労学生控除」とは

ファイナンシャルフィールド / 2018年10月17日 9時0分

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今回は「勤労学生控除」についてです。   この言葉、さらっといわれると、ぱっとイメージするのが難しいかもしれません。この制度は、学生が働いているなら一定の金額を収入から差し引いてあげますという「所得控除」のひとつです。   言葉だけで見ると前時代的に聞こえます。   確かに、働きながら学校に通っている学生は多くいると思いますが、そういう人たちを勤労学生という言葉でひとくくりにしているところにわかりにくさがあるような気がします。   所得控除は14種類ありますが、勤労学生控除については、家計全体のバランスを整えることがポイントになるため、ちょっと注意が必要です。  

勤労学生控除とは

まずは、勤労学生控除の定義ですが、こんな感じです。
「納税者自身が勤労学生であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができる」
ちょっと思い出してください。若かったころ、高校生や大学生のころ、アルバイトしてませんでしたか?
当時、私の場合は、バイト先の社長さんや店長から、「お給料を103万円までにした方がいいよ」って言われた記憶があります。
アルバイトをすると、バイト先からお給料をもらいます。お給料をもらっているため、アルバイトでも給与所得者になります。
給与所得がある場合は「給与所得控除」という所得控除が、最低でも65万円認められています。
これに加え、所得のある人すべてに適用される「基礎控除」という所得控除があるため、38万円がその年の収入から差し引かれます。つまり、103万円とは、「給与所得控除(65万円)」+「基礎控除(38万円)」の合計額のことで、この場合、所得税がかかりません。
だから、社長さんや店長は、バイト代は年間103万円までにするといいよと言っていたわけです。
でも、この金額(103万円)を超えてしまうと、アルバイトをしている子どもにも所得税がかかるようになります。
これは、税制上、子どもが親の扶養から外れることを意味しています。こうなると、高校生や大学生を持つ親としては、それまでと比べ少し所得税が増えてしまいます。
なぜならば「扶養控除」という所得控除がなくなるからです。
高校生を養っているご家庭では扶養控除の金額は38万円、大学生を養っているご家庭では63万円です(厳密にいうと、高校生・大学生の区切りではなく、前者を16歳以上、後者を19歳以上23歳未満と年齢で区切っていますが、一般的なイメージでいう意味でこのように区分けしました)。
結構、大きな金額ですよね。
これが、世帯主である親の年収から差し引かれなくなるのは、家計にとっては少し困りものです。だから「お子さんがアルバイトで103万円以上の年収を稼いでも、親御さんが困らないようにしよう」という目的で設けられたのが「勤労学生控除」です。
 

子どもに勤労学生控除が適用されるとどうなるのか

アルバイトをしているお子さんに、勤労学生控除が適用されると、お子さんにかかる所得控除は次のようになります。
「給与所得控除(65万円)」+「基礎控除(38万円)」+「勤労学生控除(27万円)」=130万円つまり、お子さんのアルバイトの年収が130万円までは、お子さんに所得税がかかりません。
  といっても、前述のように、お子さんは親の扶養から外れている状態なので、世帯主である親の所得税は、お子さんの年収が103万円以内のころと比べると、やはり少し増えることになります。
このようなことから、家計全体で見た場合、勤労学生控除については注意が必要です。
ポイントは、すべての税金に言えることですが、まず節税を目的に考えるのではなく、勤労学生控除を考える場合、何のために働くかということです。お子さんが自分のお小遣いのために働くという場合は、103万円の範囲内で働けばいいでしょう。
お子さんも「できるだけ収入を得て、一家を支えるよ」という場合は、103万円や130万円を気にせず稼いだ方がいいかもしれません。このように考えたうえで、結果、節税につながったとなるのが、本来の所得控除のあり方です。
参考・出典:
国税庁ウェブサイト
ホーム/税の情報・手続・用紙/税について調べる/タックスアンサー(よくある税の質問)/所得税/No.1175 勤労学生控除

Text:重定 賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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