出張先の宿泊所で「宿泊税」を取られました。払わなくていい時もあったのに、騙されているのでしょうか？

ファイナンシャルフィールド / 2024年2月6日 8時30分

「出張や旅行をした際に、宿泊費とは別に宿泊税を加算されたのだけど、正直納得いかない」このような経験をされた方も多いのではないでしょうか。この記事では、宿泊税の概要・使用目的・地域ごとの税率についてご紹介します。宿泊税は、観光地にとって大切な財源です。ぜひ、出張・旅行に行く際の参考にしてください。

宿泊税って何？全国どこでも課税されるの？

宿泊税とは、一人1泊・定額以上の宿泊料金に対して課税される税金のことで、地方税の一部に該当します。宿泊税は素泊まり料金に対してかかる税金であり、食事代などには課税されません。

また、宿泊費が課税される地域は、東京都のほか大阪府・京都市・金沢市・北海道虻田郡俱知安町などがあります。全国の宿泊施設が課税対象になるわけではありません。

課税対象となる宿泊施設は、旅館業法にかかわる宿泊施設ならびに宿泊者です。また、温泉地では「入湯税（1日一人150円）」が別途徴収されるケースもあります。

宿泊税の使用目的は何？

集めた宿泊税は、観光地の景観・治安維持などに使われることがほとんどです。宿泊税の使用用途は地域によって異なりますが、例えば京都市の場合は、混雑解消や外国人観光客の受け入れ対策などが考えられます。

東京都の場合は、観光関連事業者の経営支援や、ビジネスイベントに使用される施設を充実させる狙いがあります。

各地域の宿泊税の税率（金額）は？

宿泊税は、地域によって金額が異なります。例えば東京都の場合、1万円以上1万5000円未満の宿泊料には100円課税されます。各地域の宿泊税率（金額）について、表1にまとめました。

表1

地域	宿泊料金（一人1泊）	税率（金額）
東京都	1万円未満	課税なし
	1万円以上1万5000円未満	100円
	1万5000円以上	200円
大阪府	7000円未満	課税なし
	7000円以上1万5000円未満	100円
	1万5000円以上2万円未満	200円
	2万円以上	300円
京都市	2万円未満	200円
	2万円以上5万円未満	500円
	5万円以上	1000円
金沢市	2万円未満	200円
金沢市	2万円以上	500円
北海道虻田郡俱知安町	素泊まり料金（一人1部屋または1棟）	2％（100円未満の端数は切り捨て）

※参考資料を基に筆者作成

表1はあくまで一例です。また、自治体では特に定めがないものの、宿泊施設独自で定めている場合もあります。

宿泊税は観光地の発展や治安維持に用いられる大切な資源

宿泊税とは、一人1泊・一定額以上の素泊まり料金に加算される税金のことです。観光地の治安を守り、活性化につなげるための大切な資源であり、宿泊施設が不当に徴収しているわけではありません。

宿泊税の使用用途は地域によって異なりますが、一例として旅行客の受け入れ対策や観光プロモーションなどがあります。観光地・訪問先を応援するためにも、宿泊先から求められたときは、宿泊税を含めた金額をお支払いしましょう。