株価の指数で使われる「日経平均株価」と「TOPIX」どのような違いがあるの?
ファイナンシャルフィールド / 2024年3月17日 6時0分
最近株価が上がってきて、2024年2月22日にはついに日経平均株価が34年ぶりに終値ベースでの最高値になったと報じられました。実はこういったニュースでは、「日経平均株価」と「TOPIX(東証株価指数)」の両方の数字を伝えているのをご存じでしょうか。 また、投資信託にも日経平均あるいはTOPIXのインデックスファンドがあります。この2つの数字はどのようなもので、どのような違いがあるのか見てみましょう。また、海外市場はどのような指数が使われているのか見ていきます。
日経平均株価とは
日経平均株価とは、1950年(昭和25年)9月7日から公表されている株価指数です。日本経済新聞社が算出する東京証券取引所プライム市場に上場している銘柄から選ばれた225銘柄の平均株価指数で、日経225と呼ばれることもあります。
選ばれた銘柄は、年2回4月と10月に入れ替えがあり、市場流動性とセクター間のバランスをとって選ばれます。また、経営再編や経営他破綻等があった場合は、臨時入れ替えで銘柄を補充し225銘柄を維持しています。
指数の連続性を保つために、個別銘柄の株価を修正した修正平均株価であり、特徴としては株価の水準が高い「値がさ株」の銘柄の影響を受けやすくなっています。そしてその株価は、5秒単位で変化しています。
TOPIX(東証株価指数)とは
TOPIXとは、東証株価指数のことで1968年(昭和43年)1月4日の時価総額を100として、その後の時価総額を指数化したものです。経済指標の代表的なものの1つで、ETF等の金融商品のベンチマーク(投資信託等が運用の指標とする基準)としても使われています。
対象銘柄は全銘柄ですが、2022年4月1日のからプライム、スタンダード、グロース市場への新市場区分施行後、TOPIXも見直されました。構成銘柄については上記の市場区分と切り離し、原則流通株式時価総額100億円以上の銘柄となり、これについては2022年10月から2025年1月にかけて、段階的に移行していきます。
TOPIXの算出は、「算出時点の構成銘柄の時価総額/基準時価総額×100」で浮動株時価総額加重型となっています。特徴としては、時価総額の大きい大型株の影響を受けやすいことが挙げられます。
日経平均株価は過去最高の値になったが……
上記のように、日経平均株価とTOPIXは対象市場・対象銘柄が違うことが最大の違いです。よって、それぞれの指数の過去最高値も異なります。また、日経平均株価が終値ベースで最高値となった2024年2月22日現在、TOPIXと比べたものが表1です。
表1
表1を見ると、日経平均株価とTOPIXの動きは若干違いますね。ちなみに、2024年2月22日のTOPIXの終値は2660.71で、最高値と比べて92.2%しか戻っていません。
このような差がでる理由としては、日経平均株価は225社、TOPIXは全銘柄が対象ですので、他の経済指標と同じように大企業のほうが比較的良い数値がでるので、このような違いとなります。
その他の理由は、日経平均株価の銘柄は上記のように入れ替えがあることで比較的体力のある大企業が採用される割合が高いので、乖離(かいり)が出てくることになることです。また、上記にも記載していますが、「値がさ株」と呼ばれる株価の水準が高い株式が影響を及ぼしていることも理由として挙げられます。
ちなみに、株価水準が中程度のものを中位株、低い水準のものを低位株といいます。以上のような理由が、全銘柄が対象のTOPIXとの違いが出てくる一因です。
海外の指数は?
海外の主な指数は表2のようなものです。
表2
これ以外の市場(ブラジル、フランス、インド、シンガポール、ベトナム等)にも、このような指数はあります。証券市場におけるこのような指数は、その国の現在の経済状況を判断するのに有効な指数といえます。
まとめ
日経平均株価とTOPIX、その他海外の指数は、株式取引でよく使われます。株式もそうですが、投資信託でもインデックス型でも使用されます。経済指標の1つでもありますので、今後も動きに注意していくとよいでしょう
出典
日本取引所グループ 株価指数ラインナップ
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表
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