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息子が妻の分の「奨学金」を肩代わりしています。本人は「義務」と感じているそうで、自分の分もあるはずなのに心配です…。

ファイナンシャルフィールド / 2024年4月2日 7時0分

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奨学金は、経済的理由や家庭の事情で進学が難しい人への支援として提供される、学費の給付や貸与の制度です。   奨学金は大きく分けると「給付型」と「貸与型」があります。貸与型の奨学金を利用する場合は、原則として借りた学生本人が返済していかなければなりません。   もし、今回のように配偶者である夫が妻の奨学金を肩代わりして返済すれば、贈与税がかかる可能性があります。今回は、奨学金を他人が肩代わりして返済するケースについて調べてみました。

奨学金の返済金額はどれくらい?

令和4年の労働者中央福祉協議会が行ったアンケートによると、奨学金の借入総額は平均で310万円となっており、毎月の平均返済額は1万5000円、平均的な返済期間は14.5年となっています。
 
月々の金額は大きくなくても、返済期間が長期に亘ることを考えると負担が軽いとはいえないでしょう。
 
今回のケースのように自分の分に加えて、妻の分も返済するとなれば、平均的な返済額で考えると毎月3万円返済することになります。経済的に余裕があれば、家族を支援することはある意味、自然な行為といえます。
 
しかし余裕がない場合は、貯蓄にまわすお金が減るなどの影響があるでしょう。
 

息子は配偶者である妻の奨学金を返済する義務はある?

夫である息子が、妻の分まで肩代わり返済する義務はないと考えられます。夫婦が婚姻期間中に協力して築いた財産は、住宅ローンなどの負債も含めて「共有財産」とみなされます。
 
ただし、結婚前からあるどちらか一方の負債は、夫婦が協力してできたものではないため、原則「特有財産」となり、夫婦共有のものではないとされます。
 
そのため、妻が婚姻前に借りた奨学金についても、夫は返済する義務はないといえるでしょう。とはいえ、夫婦間での取り決めや合意によっては、返済を協力し合うことは可能です。
 

奨学金を肩代わり返済する場合の注意点

夫婦が婚姻期間中に協力して築いた財産は、夫婦共有の財産とみなされますが、婚姻前に借りた奨学金は本人にかかる負債です。ただし、奨学金の連帯保証人および保証人になっている場合は、本人が返済できなくなったら返済義務があるため注意しましょう。
 

返済できなくなった場合は連帯保証人に返済義務が発生する

奨学金を利用するには、連帯保証人や保証人が必要です。連帯保証人には原則として親か親に代わる人、保証人には本人および連帯保証人と別生計の人で、4親等以内の親族がなれます。連帯保証人が返済できなくなった場合、保証人がその義務を負います。
 
今回のケースでは、息子が配偶者である妻の奨学金を返済するのは、夫婦間で取り決めれば問題ありません。しかし、返済が滞った場合は、連帯保証人および保証人になっている妻の両親や親類に、返済義務が生じることとなります。
 

贈与税が発生する可能性がある

奨学金は、基本的に借りている本人が返済するものです。そのため、肩代わり返済することで「贈与税」が発生する可能性があります。贈与税は、個人間で財産を無償で贈与した場合にかかる税金です。
 
贈与税がかかるかどうかは、年間の贈与額によって変わります。贈与額が年間110万円以下であれば、基礎控除により贈与税はかかりません。例えば、奨学金を一括返済するような場合は、贈与税がかかる可能性が高くなります。
 
そのため、今回のケースでは年間110万円の枠内で贈与し、そのお金で妻が奨学金の返済を行う、といった形にすると贈与税は発生しません。
 

肩代わり返済は可能だが、注意点あり

夫が妻の奨学金の返済を肩代わりするのは、夫婦間で納得しているのであれば問題はないといえます。しかし、経済的な余裕や贈与税などの法的な問題、家族内外の意見など、考慮すべき要素は多岐にわたります。
 
返済をめぐって意見が対立するなど、問題が生じる原因にもなりかねません。そのため、家族で開かれた話し合いを持つことが望ましいでしょう。心配な点や不明点があれば、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
 

出典

労働者福祉中央協議会(中央労福協)奨学金や教育費負担に関するアンケート報告書 2022年9月実施(5.6ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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