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職場からいきなり雇用契約書にサインを求められたけど、サインしていいの? 2024年4月、労働条件の明示方法が変わる……労働者ができる備えとは? 前編

ファイナンシャルフィールド / 2024年4月6日 8時40分

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内閣府が日本経済を分析したミニ経済白書が公表され、日本が成長し続けるためには,女性の就業時間を増やすことが必要という見方も示唆されています(※1)。   昨年以降、年収の壁など、女性の働き方に注目が集まっていますが、2024年4月に労働条件の明示ルール改正も行われます。パートから脱却して、少し長めに働くことを考え始めたパート勤務の方もいるでしょう。今回はこの改正と、それに伴う備えについて2回にわたって解説します。

労働条件のルールが変わる? 労働契約書を受け取ることが大切なわけ

2024年4月に労働条件の「明示方法」が変わります。厚生労働省のサイトでも、内容をリーフレットなどで見ることができます。
 
パートやアルバイトの方で、雇用契約書を受け取ってしっかり確認しているという方は少ないでしょう。パートを希望する方が求人サイトを利用する際、もっとも気になるのは、「労働時間」と「時給」だという方は多いでしょうが、法律で明記するよう決められている事項は他にもあります。
 
もし、雇用契約書が手元にある方はしっかり読んでみましょう。パート、アルバイトには福利厚生はないと思っている方もいますが、有給休暇の取得も可能です。
 
休日がいつなのか、契約期間が決められているのであれば、更新はあるのか、更新できるケースとできないケースなど、雇用契約書からは給料以外にも多くの情報が読み取れます。今回、注目しておくべき改正事項は以下です。
 

・働く人すべてに対して、雇い入れ直後の就業場所や業務だけでなく、「変更の範囲」を明示すること。
 
・有期労働契約で働く方に対して、「更新の上限の有無とその内容」を明示すること。
 
・有期労働契約で働く方に対して、「無期転換を申し込むことができる旨の明示」と「無期転換後の労働条件の明示」をすること。

 

雇用契約書を見るときにはどこを見ればいい?

労働条件の明示については法律に定められていますが、小さい文字が並んでいる雇用契約や労働条件通知書の書面を見て、「文字が多くどこを見るのかわからないから面倒」と思う方もいるでしょう。新たに改正される項目が明示された労働条件通知書を参考にポイントを説明していきます(出典:厚生労働省「労働条件通知書」)。
 
雇用契約書を交わしていなくても、通常は、賃金などを含めて労働条件通知書の交付はされていないといけません。「パートやアルバイトだから、わざわざ契約書なんて作成しない」と勤務先から言われたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、書面でない口約束は、何らかの争いになった場合に「言った」「言わない」の応酬となり、証明することが難しくなります。
 
書面による労働条件通知書を受け取っておくのは、自分を守ることにもつながります。改正にもとづいた労働条件通知書の赤字部分を見てみてください。
 
前段でも説明しましたが、契約期間があった場合の更新の回数や通算期間の上限、職場や業務内容の変更範囲、昇給や賞与の有無など、今回の改正点は、これまであいまいだった部分について「明示すること」が必要となることで、企業側は対応しなければならないのです。
 

自分の雇用契約書が実情と合っているかどうかを確認する

労働基準監督署の調査など、何らかの監査が入るというのは、企業にとってよくあることです。その調査日に合わせて、慌てて労働者の契約書、もしくは労働条件通知書を作成するケースもあるため、雇用契約書にサインを求められたことがある方もいるでしょう。
 
雇用保険だけのパートや、社会保険に加入していないパートに対しては、時給の変更などは口頭で伝えただけで、書面をわざわざ毎年作成していない、もしくは最初は作成していたけれど更新は忘れていたという会社も多いものです。
 
毎年10月に最低賃金が更新されるのに合わせてパートの時給が変わるケースも多いので、労使の認識として「最低賃金が上がるからそれに合わせて時給を変えればいい」と思っている方もいるかもしれません。
 
今後は、自分の雇用契約書(労働条件通知書)が実情に合っているのか、しっかりと書面で確認することをおすすめします。何となく契約期間を更新してきたパート労働者の方でも、書面を確認することで、後編で紹介する「無期雇用転換制度」など、パートでも権利を行使できる制度があることがわかります。
 

出典

内閣府 白書等(経済財政白書、世界経済の潮流、地域の経済等)
厚生労働省 労働条件通知書
 
執筆者:當舎緑
社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

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